誰でも位置情報を利用できる時代が到来しました。従来の携帯電話機よりも圧倒的に位置情報を取得しやすい携帯情報機器の登場によって、位置情報を容易に利用できる基盤をユーザーは手に入れました。それだけではありません。これまでほぼカーナビだけと言ってよかった位置情報を活用する機器は、デジタル・カメラや携帯型ゲーム機にも広がり、測位技術は持ち歩くすべての携帯機器の必須機能になる勢いです。 位置情報の本質は、ヒトやモノの位置という極めて根源的な事柄を扱うことにあります。それが役立つ産業のすそ野は、ここにきて大きく広がっています。端末に現在地や目的地への経路を示したり、自分がいる周囲の有益情報を収集したり、消費者向けサービスに役立つのはもちろんのこと、安全・安心や保険、気象予報、農業、土木など幅広い分野で応用技術が求められています。先の東日本大震災でも、ユーザーから収集した位置情報データを基に被災地の通行