国籍法3条1項を合憲限定解釈した件の最高裁判決の原審判決を見て,この最高裁判決やこれを受けての国籍法改正が,どのような人の救済を図ったものか見てみることにしましょう。 第一事件原告Aは,平成9年7月10日,フィリピン国籍の母Bの子として日本で出生し,日本で育った。原告Aは,日本国民であって,父である甲野太郎に対し,自らを認知することを求めて千葉地方裁判所館山支部に提訴したところ,その後,甲野太郎は,平成13年12月12日,原告Aを認知した。 第二事件原告Cは,平成9年9月28日,フィリピン国籍の母Dの子として日本で出生し,日本で育った。原告Cの父であって,日本国民である乙山次郎は,平成10年11月4日,原告Cを認知した。 第三事件原告Eは,平成6年1月18日,フィリピン国籍の母Fの子として日本で出生し,日本で育った。原告Eの父であって,日本国民である丙川三郎は,平成12年8月16日,原告E