ブックマーク / www.tachibana-akira.com (19)

  • 「ヘイト」の烙印を捺されたら休刊の理由 週刊プレイボーイ連載(355) – 橘玲 公式BLOG

    LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)は「生産性」がない」と主張する保守派の女性国会議員が寄稿した月刊誌が休刊しました。批判に対して「そんなにおかしいか」という特集を組んだところ、同性愛(自由恋愛)と痴漢(犯罪)を同一視するかのような記事が掲載され、火に油を注ぐ大騒ぎになったのです。 なぜこんなことが起きるのか。それはリバタニアとドメスティックスの関係を見誤っているからです。 オバマ大統領の二期目の大統領就任式では人気歌手のビヨンセがアメリカ国歌を歌いましたが、トランプ大統領の就任式では、得意のネゴシエーション力にもかかわらずすべての歌手が出演を断ったようです。それ以前に、ザ・ローリング・ストーンズ、エアロスミス、アデルなどのミュージシャンがトランプの集会で自分たちの曲を使わないよう求めています。 これは政治的イデオロギーの問題というよりも、彼ら/彼女たちがアメ

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    munacky 2018/10/16
  • 「バカ」「死ね」に表現の自由はあるのか? 週刊プレイボーイ連載(351) – 橘玲 公式BLOG

    ネットセキュリティ会社の社員が、「低能先生」と呼ばれていた40代の男性に刺殺されるという衝撃的な事件が起きました。 報道によると、容疑者は国立大学を卒業したあと職を転々とし、3年前は福岡県のラーメン店で働いていたものの事件当時は無職でした。その学歴からわかるように、容疑者はけっして「低能」ではなく、ネットのコミュニティで他のユーザーを「低能」と誹謗中傷することからこのあだ名をつけられたようです。無職でも生活できたのは、おそらくは親の援助で暮らしていたからでしょう。 地元で最高の大学を卒業したものの社会生活がうまくいかず、ラーメン店を辞めた頃からアパートに引きこもるようになり、ひたすらネットの書き込みをつづけていたという姿が、ここからは浮かんできます。嫌がらせ投稿を理由に100回以上もアカウントを凍結されたにもかかわらず、新規IDで復活してはまた投稿を始めたことからも、その常軌を逸した執着心

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    munacky 2018/09/10
    “徹底的に社会的な動物であるヒトにとって、「自己」は他人との関係のなかに埋め込まれているのです。”
  • 沖縄県知事の死を冒瀆するひとたちの論理 週刊プレイボーイ連載(350) – 橘玲 公式BLOG

    沖縄の翁長雄志知事が闘病の末に亡くなりました。がんを明らかにしてから、ネットには容姿や病状についての読むに堪えないコメントが溢れ、訃報のニュースは一時、罵詈雑言で埋め尽くされました(その後、削除されたようです)。 こうしたヘイトコメントを書くのは「ネトウヨ」と呼ばれている一群のひとたちです。彼らは常日頃、「日がいちばん素晴らしい」とか「日人の美徳・道徳を守れ」とか主張していますが、死者を罵倒するのが美徳なら、そんな国を「美しい」と胸を張っていえるはずがありません。真っ当な保守・伝統主義者は、「こんなのといっしょにされたくない」と困惑するでしょう。 ネトウヨサイトについては、最近は「ビジネスだから」と説明されるようです。しかしこれでも話はまったく変わりません。ヘイトコメントを載せるのはアクセスが稼げるからで、それを読みたい膨大な層がいることを示しています。 自分が白人であるということ以外

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    munacky 2018/09/03
  • 第78回 チケット転売は不道徳か(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    6月末から7月半ばまでロシアを訪れ、日サッカー歴史に長く語り継がれるであろうベスト16のベルギー戦を含む4試合を観戦した。 この話をすると必ず、「チケットはどうやって入手したんですか?」と訊かれる。ワールドカップを観に行こうと決めたのは開幕の1カ月ほど前で、すでにチケットの販売期間は終わっていたから再販(リセール)で入手するしかない。 日では人気アイドルグループなどのコンサートチケットが高額で転売されているとして問題になっているが、ワールドカップも同じで、FIFA(国際サッカー連盟)はオフィシャルのリセールしか認めていない。だがこれは定額での再販になるので、抽選で運よく人気試合を引き当てたひとは、当然のことながら、高値で転売できる民間のサービスを利用しようとする。 さらに問題なのは、今回はじめて導入されたFAN IDというシステムだ。ラミネート加工された顔写真入りのIDで、スタジアム

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    munacky 2018/08/26
  • 「きれいごと」はなぜうさんくさいのか? 週刊プレイボーイ連載(346) – 橘玲 公式BLOG

    「きれいごとはうさんくさい」と、多くのひとは内心思っているでしょう。現代の心理学は、これを「道徳の貯金」理論で説明します。 アメリカの一流大学の白人学生に、企業の採用担当者になったつもりになって、5人の応募者を評価させました。履歴書の内容はどれも同じで、いずれのグループも有名大学で経済学を専攻し、優秀な成績で卒業した4番目の応募者がもっともすぐれていました。異なるのはこの“スター応募者”の属性で、第一グループは白人女性、第二グループは黒人男性、第三グループ(対照群)は白人男性です。ほとんどの被験者が、この“スター応募者”をもっとも高く評価しました。 次の課題では、被験者は地方の町の警察署長になります。住民のほとんどが白人で、警察内部でも人種的なジョークが口にされ、何年か前に黒人の巡査を採用したことがあるのですが、職場でのいやがらせを理由に1年で辞めてしまいました。あなたはこうした状況を変え

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    munacky 2018/07/30
  • 世界じゅうが”中国化”するまであとすこし 週刊プレイボーイ連載(344) – 橘玲 公式BLOG

    仕事場のあるビルの1階でエレベーターを待っていると、ドアが開いてなかに40歳前後の女性がいました。降りるんだろうと思ってちょっと脇にどいたのですが、彼女は私を見て、いきなりドアを閉めたのです。エレベーターはそのまま上がっていって、鍼灸院のある5階で止まりました。 なにが起きたのかとっさには理解できなかったのですが、どうやらその女性は鍼灸院に行こうとして上の階まで行ってしまい、下りボタンを押したものの5階で降りることができず、また1階まで戻ってきたようです。 同じビルに入っている美容院の若い男性がいたので、「待っているのに気づいたのにヒドいよね」と文句をいいました。するとその若者から、「最近、おかしなひとが多いから相手しないほうがいいですよ」と諭されてしまったのです。 新幹線の車内で刃物を振り回したり、ネットのアカウントを閉鎖されたことを逆恨みして復讐したり、警察官を襲って拳銃を奪い小学校で

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    munacky 2018/07/23
  • 定年制廃止のために金銭解雇の合法化を 週刊プレイボーイ連載(344) – 橘玲 公式BLOG

    難産の末に「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」が成立しました。野党は「働かせ法案」「過労死法案」と批判していますが、「年収1075万円以上の専門職が対象」とされたためか、大半のひとが「自分には関係ない」と思い、反対運動はいまひとつ盛り上がりに欠けたようです。 しかし働き方改革はこれで終わりではなく、国民的な議論(大騒ぎ)を引き起こすことが確実な、さらに大きなイベントが待ちかまえています。それが「金銭解雇の合法化」です。 議論の前提として、日は世界にさきがけて超高齢社会に突入し、少子化による人口減で人手不足がますます深刻化している現状を確認しておきましょう。この大問題に対処しようとすると、「右」でも「左」でもどんな政権でも、「高齢者にいつまでも働いてもらえる社会」にする以外ありません。こうして安倍政権は「一億総活躍」を掲げ、公務員の定年の65歳への引き上げや、「70歳定年制」の導入が検

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    munacky 2018/07/17
  • 女児虐待死事件でメディアがぜったいいわないこと 週刊プレイボーイ連載(343) – 橘玲 公式BLOG

    目黒区で5歳の女児が虐待死した事件では、「きょうよりか もっともっと あしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして」などと書かれたノートが発見され、日じゅうが大きな衝撃に包まれました。このような残酷な事件が起きないようにするために、いったいなにができるでしょうか。 この事件について大量の報道があふれていますが、じつは意図的に触れていないことが2つあります。 女児を虐待したのは義父で、母親とのあいだには1歳の実子がいました。じつはこれは、虐待が起こりやすいハイリスクな家族構成です。 父親は自分の子どもをかわいがり、血のつながらない連れ子を疎ましく思います。母親は自分の子どもを守ろうとしますが、それ以上に新しい夫に見捨てられることを恐れ、夫に同調して子どもを責めるようになるのです。なぜなら進化論的には、ヒトは自分の遺伝子をもっとも効率的に残すよう“プログラム”されているから……。 こ

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    munacky 2018/07/09
  • 「朝日」はなぜこんなに嫌われるのか? 週刊プレイボーイ連載(341) – 橘玲 公式BLOG

    「朝日」はなぜこんなに嫌われるのか? そう訊ねれば、たちまちいろいろな答えが殺到するでしょう。かつては慰安婦問題で叩かれていましたが、最近は「どうでもいい話を針小棒大に報道する」というのが定番の批判のようです。それを「ネトウヨの遠吠え」と嘲笑するひとたちもいて、この話題は収拾のつかない罵り合いになっていきます。 それぞれ言い分はあるでしょうが、議論の泥沼から一歩退いて眺めれば、世界じゅうで同じような憎悪の応酬が起きていることがわかります。典型的なのはアメリカで、「親トランプ」の(白人)保守派と「反トランプ」のリベラルの衝突のはげしさは日の比ではありません。 「朝日」は戦後民主主義という日独自のサヨク思想を代表しています。冷戦の終焉によってソ連、中国共産党北朝鮮、マルクス主義を礼賛するこの奇怪なイデオロギーは破綻しましたが、それにもかかわらず「むかしの名前」でへたくそな歌をうたいつづけ

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    munacky 2018/06/25
  • 日本企業は「体育会系」大好き、日本社会は「運動部カルト」 週刊プレイボーイ連載(339) – 橘玲 公式BLOG

    すこし前のことですが、ヘッドハンティングを仕事にしているひとの話を聞いたことがあります。新しい部署や事業部を任せられる幹部を、年収1000万円から3000万円で探すよう頼まれるのだといいます。 ヘッドハンターによると、日企業と外資系企業では採用基準がちがうそうです。 外資系企業が評価するのは学歴・資格・職歴・経験、そしてなにより実績で、男女の別や国籍・人種は問いません。それに対して日企業は「男性」「日人」が当然の前提で、女性や外国人はそもそも検討の対象にもなりません。 こういうところに日企業の差別的な体質が現われていますが、それは容易に想像できます。興味深いのは、外資系企業がまったく関心を示さないのに、日企業にとってきわめて重大な属性があることです。それが「体育会」です。 「いつも不思議に思うんですけど」と、ベテランのヘッドハンターはいいました。「大学の運動部出身というと、どこも

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    munacky 2018/06/11
  • 裁量労働制の議論が「日本人はバカだ」に行きつく理由 週刊プレイボーイ連載(338) – 橘玲 公式BLOG

    厚生労働省が、裁量労働制についての調査データに異常値が含まれていたとして約2割の事業所のデータを削除するそうです。全国の労働基準監督署が一般労働者と裁量労働で働く労働者の残業時間を調べたもので、これに基づいて安倍首相が、裁量労働制を導入したほうが残業時間が短くなると答弁したことが問題になりました。 厚労省は資料を開示せずに都合のいい結論を導いており、「誤ったデータに基づいて政策を決めるのはけしからん」との野党の批判はもっともです。こんな醜態をさらすことになったのは、調査や分析をすべて省内で行ない、労働経済学者など外部の専門家を排除しているからでしょう。その結果、「素人仕事」が見破られて立ち往生してしまったのです。 とはいえ、野党のいうように、いったん法案を取り下げて正しいデータを集計し直せばいいというわけではありません。裁量労働制の残業時間が一般労働者より長かったとしても、統計学的には「裁

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    munacky 2018/06/04
  • 子どもがいるひとは、いないひとより3.6倍もその決断を後悔している 週刊プレイボーイ連載(337) – 橘玲 公式BLOG

    数年前、グーグル検索で「夫」と入力すると「死んでほしい」という候補が最初に現われることが話題になりました。その後、夫への恨みつらみをえんえんと書きつらねる「だんなDEATH NOTE」なるサイトが登場し、結婚生活に不満(というか憎悪)をもつが世の中にあふれていることが明らかになりました。検索頻度の高い言葉を自動表示するオートコンプリート機能はひとびとの音を示していたのです。 だとしたら、検索を調べることで社会の深層に隠されているものが見えてくるのではないでしょうか。じつは、匿名化されたビッグデータを使ってそれを調べている研究者がアメリカにいます。 データ・サイエンティストのセス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ『誰もが嘘をついている』(光文社)によると、英語で「……したいことは正常?」と検索したときのトップ表示は「人を殺したいと思うことは」で、「……を殺したいことは正常?」のトップは「

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    munacky 2018/05/28
  • 日本の大学やメディアが隠す「不都合な事実」 週刊プレイボーイ連載(331) – 橘玲 公式BLOG

    文科省主導の大学改革で、文学部などの人文科学系学部の「組織見直し」が掲げられ、大学教員らが強く反発しています。しかしこれは文科省の暴走というわけではなく、「教育による国際競争力の強化」を目指すのは先進諸国どこも同じで、日はこのレースから大きく出遅れているというのが実情でしょう。 日の労働生産性は先進国で最低で、日のサラリーマンは過労死するほど働いてもアメリカの労働者の7割程度の利益しかあげられないという「不都合な事実」は、最近になってようやく認知されるようになりました。では、日の研究者の生産性はどうなっているのでしょうか。 じつはここにも「不都合な事実」が隠されているようです。 オランダの学術出版大手エルゼビアが日の研究活動を主要国と比較したところ、日の官民合わせた研究開発投資の総額は米国と中国に次ぐ世界3位なのに、一定額あたりの論文数は主要9カ国で最低水準だとわかりました。1

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    munacky 2018/04/10
  • お役人は「規則」ではなく「前例」を守る 週刊プレイボーイ連載(330) – 橘玲 公式BLOG

    森友学園問題で朝日新聞の報道を「哀れですね」と嘲笑っていた安倍首相が、朝日新聞のスクープによって窮地に陥っています。「私やが関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と大見得を切った首相答弁に驚愕した財務省が公文書を大幅に改ざんしていたというスキャンダルは、首相の悲願である憲法改正を吹き飛ばしただけでなく、このままでは9月に予定されている自民党総裁選での3選も危うくなりそうです。 公文書改ざんが明らかになってから、官僚経験者らが「こんなことは考えられない」と口をそろえて解説しています。決裁文書を改ざんすれば刑法犯の虚偽公文書作成等の罪に問われかねず、優秀な官僚がそんな愚を冒すはずはないというのですが、はたしてこれはほんとうでしょうか。 官庁の情報隠しはこれまでも頻繁に起きてきました。すぐに思いつくものでも、防衛省が廃棄したとしていた南スーダンでの自衛隊の日報が再調査で発見さ

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    munacky 2018/04/02
  • シリア内戦―過去の失敗に学ぶと子どもたちが死んでいく 週刊プレイボーイ連載(329)  – 橘玲 公式BLOG

    ひとは過去の失敗に学ぶことがあるのでしょうか? 5年ほど前に「シリア内戦―誰にも止められない殺し合い」という記事を書きました。宗教的少数派であるアサド政権は権力を失えば“皆殺し”にされることがわかっているので、神経ガスでもなんでも使って敵を“皆殺し”にするしかないという話で、実際、その後の展開は予想どおりになりました。 とはいえ、これは私に先見の明があったということではありません。中東に詳しい知人は、「専門家ならみんな知っていること」といっていました。 ところが不思議なことに、中東の専門家がたくさんいるはずのEUやヨーロッパ諸国は、「シリアを民主化する」という大義を掲げて自由シリア軍などに大量の武器を渡しました。これに対してロシアのプーチン大統領は、「権力の空白より独裁の方がはるかにマシだ」と警告しましたが、ヨーロッパの理想主義者たちはまったく耳を貸しませんでした。 その結果、混乱に乗じて

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    munacky 2018/03/26
  • 自衛隊にはなぜ軍法会議がないの? 週刊プレイボーイ連載(322) – 橘玲 公式BLOG

    自衛隊についてずっと不思議だったことがあります。トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン主演の『ア・フュー・グッドメン』のように米軍を描いたハリウッド映画には軍法会議が舞台のものがいくつもあるのに、自衛隊にはなぜ軍法会議がないのか、ということです。さらに不思議なのは、憲法9条改正の議論のなかで、保守派もリベラルもこのことを問題にするひとがほとんどいないことです。世界の軍隊のなかで、軍法会議の制度をもたないのは(おそらく)自衛隊だけだというのに。 これは私の個人的な感想ではなく、日法制史の碩学である霞信彦氏(慶應義塾大学名誉教授)は、『軍法会議のない「軍隊」』でこの異様な状況について述べています。自衛隊は国際的には重武装の「日軍」であり、中国北朝鮮との軍事的緊張も高まっているというのに、日国内ではいまだに「自衛隊は軍隊ではない」あるいは「自衛隊は違憲だ」との理由で軍司法制度(軍刑法

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    munacky 2018/02/05
  • 第73回 働き方改革、「身分制」打破から(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権の進める働き方改革では、残業時間を減らして生産性を高めることが強調されている。しかしその前に、「なぜ日の(男女の)サラリーマンは残業時間が長いのに、先進国でいちばん生産性が低いのか」をちゃんと考える必要がある。 世界の労働者のエンゲージメント(会社や仕事に対するかかわり方)の度合いを調べると、日のサラリーマンは最低レベルだ。それもひとつの調査ではなく、OECDを含む10の機関でほぼ同じ結果が出ている。 これを手短に要約すると、「日のサラリーマンはものすごく長い時間働いているものの、生産性がものすごく低く、世界でいちばん会社を憎んでいる」ということになる。なぜこんなヒドいことになるのだろうか。 家庭に目を転じてみると、日では若い女性の3割が「将来は専業主婦になりたい」と思っているという。しかし不思議なことに、家庭生活に満足している女性の割合を国際比較すると、共働きが当たり前の

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    munacky 2018/01/15
    “ジェンダーギャップだけでなく、「正規」と「非正規」、「親会社」と「子会社」、「本社採用」と「現地採用」などあらゆるところに「身分」は顔を出す。日本は先進国のふりをしているが、その実態は江戸時代の身分
  • いつ「それ」がやってくるのかを私たちは知ることができない 週刊プレイボーイ連載(319) – 橘玲 公式BLOG

    2017年10月は「国難」を理由に総選挙が行なわれ、民進党分裂という副産物を生みましたが、予定調和的に与党が圧勝し安倍「長期」政権がつづくことになりました。国難である北朝鮮の核ミサイル開発は脅威ですが、度重なるJアラートにひとびとは慣れてしまい、地下などに避難したのは5%台とのことです。年末の話題はあいかわらず大相撲の「日馬富士事件」で、振り返ってみれば大過なく日々は過ぎていきました。 これは日だけのことではありません。奇矯な言動を繰り返すトランプ大統領の就任で「(第三次世界大戦のような)とんでもない災厄」の恐怖が蔓延しましたが、米国と中国ロシアとの関係はそれなりに安定しており、北朝鮮とのあいだで戦争が起きる気配もありません。エルサレムをイスラエルの首都と認定したことはイスラーム圏で強い抗議を引き起こしましたが、それがすぐに内戦や動乱につながるわけでもなさそうです。 ヨーロッパではイギ

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    munacky 2018/01/10
    “こうした状況を反映して株価も上昇しています。 2017年11月6日にニューヨーク株価が史上最高値を更新すると、翌7日に日経平均株価がバブル崩壊後の最高値である2万2666円(96年6月26日)を上回りました。トランプノミク
  • 親がいくら説教してもいじめはなくならない 週刊プレイボーイ連載(283)  – 橘玲 公式BLOG

    いじめはなにをしてもなくならない」として、「強く生きろ」といじめられた子どもを叱咤するひとがいます。こうした発言が公になることはほとんどありませんが、教育関係者を含め多くのひとが、「いじめられる側にも問題がある」と思っていることは間違いありません。 この主張は前半が正しく、後半は間違っています。 子どもは必ず友だち集団をつくりますが、そのためには仲間(内)と仲間でない者(外)を区別する指標が必要で、その境界を超えて仲間に加わるのが通過儀礼です。集団の結束を高めるために特定のメンバーを排除するのも、仲間にしてもらうのに「小遣い」のような代償を支払うのも、古今東西、子どもの世界ではどこでも起きていることです。子どもは能的に仲間はずれを恐れるので、理不尽な要求を拒絶することができないのです。 人間関係を「内」と「外」に分けて差別するのは普遍的な行動原理(ヒューマンユニヴァーサルズ)なので、秘

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    munacky 2017/04/04
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