重い内容ながら、読み進まずにはいられなかった「永遠の仔」、最終巻でついに全ての謎が明かされる。 これまでの話の展開もそうだが、未解決だった事件の真相も衝撃的すぎる。 唯一の救いは、優希の母が遺書に残した優希への謝罪と、「あなたは絶対に悪くない。間違っていもいない。あなたは、本当は、少しも汚れていない」「あなたを愛しています」という言葉か。 しかし、17年前の山登りの際、父を突き落としたのは母だったということをもっと早く打ち明けていれば、梁平も笙一郎も優希もここまで苦しまずにはすんだのではないか。笙一郎が発作的に虐待した親や梁平に振られて傷ついていた奈緒子を殺したり、優希の弟、聡志が亡くなったりすることはなかったのではないか。 傷ついた者たちが、互いのことを大切に思うが故に、17年もの間、真実を語れずにいた。そして、そのことによって、本来であれば、支え合えたかもしれなかった人たちが距離を取り
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