山口県光市の母子殺害事件で広島高裁は22日、犯行当時18歳だった被告に極刑を宣告した。「死刑相当」とした最高裁による差し戻しを受けての判断ではあるが、従来の量刑基準から厳罰化へと大きく踏み出した判決といえよう。 死刑適用の是非をめぐる司法判断は、最高裁が昭和58年に示した「永山基準」に基づいて行われる。差し戻し前の1、2審判決も永山基準に沿って検討したうえで、被告が未成年であったこと、殺害の計画性が認められないことから「極刑がやむを得ないとまではいえない」として無期懲役を選択した。当時の量刑の“相場”から言えば「妥当な判断」(法曹関係者)ではあった。 だが、本村洋さんをはじめとした犯罪被害者の権利意識の高まりや厳罰化を求める世論を受ける形で、最高裁は平成18年6月、「特に酌量すべき事情がない限り、死刑の選択をするほかない」と判示。死刑を「例外」とした永山基準以降、未成年による2人殺害で死刑