朝日新聞夕刊のコラム「素粒子」が計13人の死刑執行を指揮した鳩山邦夫法相を「死に神」と表現した問題が、尾を引いている。被害者を侮辱しているとして、犯罪被害者団体が朝日に2度にわたって投げかけた質問に対する回答への不満が、くすぶっているからだ。コラム掲載から1カ月が経過したが、死に神問題は、着地点が見えないままだ。(森本昌彦) 「まったく質問に答えていない。被害者の言うことだから、聞かなくていいと考えているのか」 死に神の意味について2度、質問状を送った「全国犯罪被害者の会(あすの会)」代表幹事、岡村勲弁護士は、こう憤る。岡村弁護士は平成9年、自身への逆恨みで妻を殺害された経験から、被害者救済運動を始めたことで知られる。 死に神という表現は、鳩山法相を揶揄(やゆ)するだけでなく、死刑囚の刑執行を希望する被害者側をも侮辱していると、6月25日、「抗議および質問」と題した文章を送った。 朝日から