新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込み、経済活動が徐々に正常化しつつあった北京を感染第2波が突如襲った。北京市内最大の生鮮卸売市場である「新発地農産品卸売市場」で集団感染が発生。感染者は北京市内にとどまらず、市外でも関連の感染症例が確認された。 北京市では、公衆衛生に関する緊急事態対応レベルを6月6日から引き下げていたが、新発地市場で新たな感染者が確認されたのはその直後の11日。約2カ月ぶりの新規感染者だった。 北京市政府の対応は迅速であった。翌12日に感染拡大の兆候を確認すると、13日には新発地市場とその周辺の居住区を封鎖した。14日に「非常時」を宣言し、市場関係者など8万人弱を対象にPCR検査を実施。その後も驚異的な速さで検査範囲を拡大し、6月28日までの2週間で北京市の人口の約3分の1に当たる769万人の検査を行った。 市政府の方針を受け、社会全体の反応も早かった。多くの企業で在宅勤