ゾウを1頭だけで飼うのは生態、福祉に反する行為だ――。カナダの生物学者が公表した日本の動物園に関する報告書が国内外で波紋を呼んでいる。単独飼育する国内13園のうち、宇都宮動物園や甲府市遊亀公園付属動物園(甲府市)など5園については「標準以下の環境」として早急な改善を求めている。 カナダ出身の生物学者キース・リンゼイ氏が2017年4月に発表した「日本の動物園において単独飼養されているゾウに関する調査報告書」。リンゼイ氏はゾウの専門家で、国際NGOで動物の保護活動をしている。 報告書によると、ゾウは本来、群れで生活する社会的な生き物で、単独飼育は「生態、福祉に反する行為だ」と指摘。適切な飼育状態を保てない場合、展示飼育をやめるべきだとした。宇都宮動物園で飼育するのはメスのアジアゾウ「宮子」。1974年から単独で飼育してきた。 指摘されたのは、日中にすごす屋外スペース(床と壁)が全てコンクリート
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