「解明する」という意味で広く使う人は3割を超え、「歴史をひもとく」など書物が関係する場合には使うという人は過半数に達しました。元々の意味の「書物を読む」ことのみに使うとした方はわずか1割。多くの辞書はこの語釈しか載せていないのですが、意味は拡大したと判断してよいでしょう。 新旧の用法つなぐ「歴史をひもとく」 ではその拡大の理由は何か。そして拡大は妥当なのか。国立国語研究所の相澤正夫氏の2013年の論文が参考になります(以下、参照先のページ数は「国語研プロジェクトレビュー」第5巻第2号から)。 論文では「書物を読む」を「伝統用法」、「分析・解明する」を「新用法」とし、「歴史をひもとく」はこの二つの用法を媒介すると指摘します。この「歴史をひもとく」には、「歴史書を読む」「歴史書(記録・文書)を参照して調べる」「多様な手段で歴史を解明する」という3段階があります。 段階を経るに従い、ただ「読む」