医療は多くの医療職者によって提供されている。例えば、医師は診療の専門家として、薬剤師は薬の専門家として、理学療法士や作業療法士はリハビリの専門家として、医療を担う。その中で、看護師はどのような役割を受け持っているのか。もちろん看護の専門家だが、医師の診療支援から、患者への投薬、患者やその家族の生活支援まで、その守備範囲は非常に広いと感じられる。小児科の臨床看護師として勤務した後、現在は兵庫医療大学で患者の家族と医療職者の関係について研究している高谷知史先生に、看護師が患者や医療職者とどう向き合っているのかについて聞いた。 ◇「コンコーダンス」の概念 --「慢性疾患や障がいを持った子どもの家族と医療職者との家族コンコーダンスに関する研究」を専門にされています。研究の内容を教えて頂けますでしょうか。 高谷 「コンコーダンスは何なんだ」とよく聞かれますが、日本語では「調和」や「協調」を意味する言