12月2日の日曜日、ブダペシュトの国会議事堂前コシュート広場で行われた集会には、数万人が集まったそうだ。 この集会は11月26日にハンガリー国会であった極右ヨッビク議員の反ユダヤ発言に抗議するものだったが、これがハンガリーで近年ない画期的なものとなったのは、右派の政権与党フィデス、左派の野党社会党(MSZP)、リベラル野党LMPの幹部たちが、同じ演台で差別発言を非難したことだった。 人種差別に反対する集会で主要政党の代表者がそろうというあまりに当たり前のことが、「画期的」に見えてしまうことが、ハンガリーの抱える病理の深さをあらわしているように思える。 与野党の政治家たちが連帯して反差別を訴えなくなったこの数年間の間に、人種差別発言は日常茶飯事になってしまい、それが許容される言論空間がすでに出来上がってしまった。 11月末の極右議員の発言とは、26日の国会本会議で、ヨッビクの国会議員団副団長