最初に、右の写真を見ていただきたい。横断歩道の横にあったはずの、自転車が通る横断帯。これが消されている光景を見たことはないだろうか。 実は、この「自転車横断帯」、今後段階的に廃止されてゆく運命にあるのだ。その背景には、日本の自転車政策が、「自転車は原則車道」という方向に「再転換」しつつあることがある。10年後、日本の道路風景が少しだけ変わっているかもしれない。今回は、このことについて紹介したい。 始まりつつある自転車通行環境の改善 言うまでもなく自転車は健康にも環境にも優しい乗り物である。大都市ならば満員電車に揺られるよりも自転車で移動した方がはるかに健康的だし、地方ではクルマ利用よりも環境負荷・経済的負担が少なくて済む。 道路の通行効率や駐車スペースの面でのメリットも無視できない。同じ100人が移動するのに、クルマは自転車の何倍ものスペースを必要とする。ちなみに道路交通センサスによると、