1 2015年3月24日、ジャーマンウィングス9525便が仏南東部のアルプス山中に墜落し、乗客乗員150名が亡くなられた。 事故後まもなく、この飛行機の副操縦士アンドレアス・ルビッツが、故意に墜落させたこと、そしてルビッツ副操縦士は精神疾患で治療を受けていたことが相次いで明らかになった。その精神疾患とは何であったか、様々な病名が報道されている。 本稿「拡大自殺としてのドイツ機墜落事件」は2015.4.8.に書いている。まだ情報の一部しか明らかにされていない。だがその一部の情報だけからも、ルビッツ副操縦士が内因性の精神障害に罹患していたことは明らかである。現代の診断基準にある病名をつけるとすれば、双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害、精神病症状を伴ううつ病 のいずれかである(注1)。 2 本稿のタイトルにある「拡大自殺」とは、自殺に際して、他の人を巻き込むことを指し、形としては「心中」と