最新の9月の有効求人倍率は、1992年以来の23年ぶりの高さだったが、バブルの頃の水準と言われる割には、好景気の実感がなく、消費増税以降は、逆に悪化している印象がある。いまや唯一ともなったアベノミクス御自慢の数字だが、検証すると、やはり失速していることが分かる。こうした傾向は、家計調査など他の統計と共通するものだ。「家計調査は低すぎる」などと批判するより、現実を直視すべきだろう。 ……… 有効求人には前月から繰り越されたものが含まれ、倍率は求職者の減少によっても上がるので、今回は、新規求人が、前年同月と比較し、どのくらい増えているかに着目した。フルタイム(正確には「除くパート」)における結果は、下図のとおりである。ここでは、各月の変動が激しいことから、傾向性をつかみ易くするよう、3か月移動平均を示している。 新規求人の増加数を追うと、リーマン・ショックの影響が癒えるに従い、2010年に大き
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