戦後日本を代表する駒ケ根市出身の憲法学者、芦部信喜(のぶよし)氏(東京大名誉教授、1923~99年)の出身地、駒ケ根市が来年度、創設する予定だった「芦部信喜賞」について、伊藤祐三市長は17日、事業を白紙化する意向を明らかにした。市議の間に計画の進め方などに反発があり、事業化は困難と判断した。20日…
戦後日本を代表する駒ケ根市出身の憲法学者、芦部信喜(のぶよし)氏(東京大名誉教授、1923~99年)の出身地、駒ケ根市が来年度、創設する予定だった「芦部信喜賞」について、伊藤祐三市長は17日、事業を白紙化する意向を明らかにした。市議の間に計画の進め方などに反発があり、事業化は困難と判断した。20日…
アリが花の送粉(花粉の媒介)に関わったソバは、関わらなかったソバと比べて結実率が1・5倍ほど高い傾向にあることが6日までに、東京大大学院の研究室が上伊那郡飯島町で行った調査の速報値で分かった。ソバは主にハチやアブ、チョウが送粉するとされてきただけに、意外なアリの仕事ぶりに県内の農業関係者らも興味津々。研究室は実際の生産に生かせるかどうか、さらに調査、研究を進める。 調査は生物多様性科学研究室が昨年6月に4カ所、同9月に5カ所の畑で行った。それぞれで、受粉前に粘着性スプレーを根元に吹き掛け、アリが花まで上れないようにして他の昆虫の送粉しか期待できなくした6株と、手を加えない12株とを比較。受粉しなかった花と結実した花を数え、結実率を算出した。 速報値ではいずれも、手を加えなかった株の結実率が平均3割ほどだったのに対し、アリが花まで上れないようにした株は同2割ほどだった。 同研究室の宮下直(た
水槽の中で糸を吐くヒゲナガカワトビケラ。糸は「トビケラシルク」として研究されている トビケラシルクから作ったフィルム。再生医療の足場の材料として期待がかかる 信州大繊維学部(上田市)の野村隆臣准教授(44)=分子生物学=と大学院修士課程2年の桜井千晶さん(24)らの研究グループが、ヒゲナガカワトビケラの幼虫が吐く糸の成分が失われた組織や臓器を新たに作り出す再生医療の材料として有効な可能性を秘めていることを2日までに突き止めた。幼虫は河川に生息する水生昆虫で、つくだ煮が伊那谷の珍味と知られる「ざざ虫」の一種。研究グループは、軟骨などの再生医療への活用を目指しており、「信州でなじみのあるざざ虫が役立つ可能性があることに期待してほしい」(桜井さん)としている。 再生医療には、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)などの細胞と培養液、細胞の接着や増殖の足場(土台)となる材料が必要と
政府は皇位継承に伴って改める元号を「令和」に決めた。皇太子さまが新天皇に即位する5月1日に施行される。 1979年制定の元号法に基づく2回目の改元となる。 元号を使用している国は世界で日本だけだ。645年の「大化」が最初で、中断を経て701年の「大宝」以降は1300年以上にわたって続いている。 現在は西暦が使用されるケースが増えているとはいえ、元号だけで年月日が表示される公文書などはまだ多い。歴史を分かりやすく表現できる効果もある。 日本国民の暮らしに根付いてきた独自の文化といえるだろう。国民の関心が高いのは当然だ。 元号は天皇制と不可分の存在である。 明治以降、天皇一代に一つの元号とする「一世一元」が採用された。天皇が統治権を一手に掌握する総攬(そうらん)者だった明治憲法下では、天皇が時間を支配するシンボルの意味があった。 現在は日本国憲法による象徴天皇制の時代だ。天皇は日本国民の総意に
アルジェリアで起きた人質事件で政府は、被害者の氏名の発表を渋っている。 世界を揺るがせた事件である。手口は残忍極まりない。 どんな人が巻き込まれ犠牲になったかの情報は、事件の本当の姿を知る上で欠かせない。テロ対策を進めるためにも必要だ。可能な限り早いタイミングで氏名を公表するよう政府に求める。 「日揮の皆さんと相談して、公表は避けていただきたいとのことだった」。公表しない理由を問われ菅義偉官房長官は述べている。 亡くなった人、辛くも命を取り留めた人、その家族…。厳しい状況を強いられた人たちだ。取材、報道によってさらなる負担をかけるのは、何とも忍びない。 こんな中で、実名発表を求める趣旨の社説を書く必要が本当にあるのか―。楽屋話をお許しいただけば、論説委員の会議でも問題提起があった。 それでもここでは、実名発表を求めたい。いちばんの理由は、事件の実態に迫るのに欠かせない情報だと思
飯田市の中心市街地にある信号機付きの交差点について、市が信号機を使わない円形交差点「ラウンドアバウト」を導入する検討を進めていることが15日、分かった。県道と市道が5方向から集まる近くのロータリーで同市などが行ったラウンドアバウトの社会実験を踏まえて新設は可能と判断。県警も前向きに検討している。 ラウンドアバウトでは、交差点に向かう車両は左折して円形の「環道」に入り、時計回りに走った後、目的地に向けて再び左折して環道を外れる仕組み。社会実験を担当した名古屋大大学院の中村英樹教授(交通工学)は「信号機が撤去されてラウンドアバウトが整備されれば、日本初の画期的な取り組みになる」と話す。 導入が検討されているのはJR飯田駅の東約300メートルにある「東和町」交差点。市は2009年度から4年計画の市道改良工事に伴い、県道と市道が5方向から集まる変則的な交差点を簡素化する方向を検討。ただ、地元か
「平成の大合併」を経た県内18市町村(12市、4町、2村)の旧市町村地域の住民の3割近くが合併して「悪かった」と考え、「良かった」は2割余にとどまることが26日、県世論調査協会の調査で分かった。「何とも言えない・分からない」は5割近くに上り、評価ができない人も多い。住民の4割近くは当初、合併に賛成の立場だったと回答。合併を経て、旧市町村域の住民の意識が変化しつつあることを示した。 合併に伴う行政サービスの変化を聞くと、ごみ収集料金や上下水道料金など「住民負担」、「役場(支所)の利用のしやすさ」はともに「悪くなった」が4割を超え、サービス低下への不満がうかがえる。「住民の意見反映、県、合併市町村へのパイプ」は3割余、「子育て支援や福祉の行政サービス」も2割余が悪化したと答えた。 こうした傾向から、さらなる合併による広域化、道州制導入については「反対」が51・0%を占め、「賛成」の13・0
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