レアル・マドリーでトップ下としての地位を確立したエジル。 トルコ移民の子として ドイツに生まれた彼はいかにして クレバーでシンプルなスタイルを身に付けたのか。 原点を探るべく故郷ゲルゼンキルヘンを訪ねた。 どんなにトップスピードで走っていても、メスト・エジルはまるで絨毯に落としたかのように、柔らかいタッチでボールをトラップすることができる。 1月3日、スペインリーグ17節、ヘタフェ対レアル・マドリー戦の前半19分。 ディマリアが右サイドをドリブルで駆け上がると、中央にいたエジルが矢のようにゴール前へダッシュを開始した。ディマリアからの強烈なパスをエジルはピタリと止め、顔を上げたままワンフェイントでGKをかわし、無人のゴールにボールを流し込んだ。 まるで路地裏にいる友達をからかって、ドリブルで翻弄するかのように。 エジルは今、世界で最も注目される攻撃的MFのひとりだ。レアルのトップ下を任され
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