虐待など様々な事情で、親元で暮らせない子供を育てる里親たちが考案したレシピ集が好評だ。大阪府東大阪市の支援団体が昨年9月に1000部を発行。里親と里子をつなぐ一皿の心温まるエピソードが反響を呼び、今月、500部を増刷する。 レシピ集は、里親支援をするNPO法人「キーアセット」が発行する「まいにちの家庭レシピ」(A5判、43ページ)。野菜が苦手の子供のための「ピーマンの肉詰め」や、おかずと白米がバランスよく食べられる「トロロ丼」など里親の女性6人が考えた12品のレシピと料理にまつわる物語が掲載されている。 東大阪市の辻本真波さん(64)の「ラーメン鍋」は、6年ほど前、里子に迎えた高校生の少年のために作った。少年は、母親の暴力が原因で児童養護施設などで育った。気に入らないことがあると暴力をふるい、帰宅はいつも深夜。注意すると口論になった。 3月のある夜。辻本さんは一人用の土鍋でラーメンとたっぷ