ブームを生み出したのは、『おじさん図鑑』という1冊の本。ここには、イラストレーターの著者・なかむらるみが4年を費やして観察してきたおじさんたちの生態が凝縮されている。しかし、いかんせん題材はおじさん。派手さはないが、滋味あふれるイラストと愛あるツッコミが話題となり、10万部を超えるヒットを記録しているのだ。 とくに、分類のマニアックさは特筆モノ。街中で缶飲料を片手にリラックスするおじさんを集めた「缶ビール・缶チューハイおじさん」に、シャツ越しのふくらみに注目した「ぽっこりおなかのおじさん」。ウエスト位置が妙に高い「ハイウエストのおじさん」には、謎が大きかっただけ思わず膝を打ってしまう。「普通のスーツのおじさん」にしても、「娘のおさがりと思えるピンク色のDSに、江ノ電のストラップ」というアイテムにまで視線を注ぎ、その憎めなさを表現している。おじさんという生きものを「うさんくさい」「面倒くさい