東京大学大学院情報学環教授 西垣 通 機械はどこまで生命体に近づけるのだろうか。生命体と機械の違いを「心」の有無にあると考えてみよう。では、心はどこから生まれるのだろうか。常識では心は脳の働きによって生じると考えられている。一方、脳科学の研究が進むほどに、脳と電子機械のあいだに本質的な違いがないことが明らかになる。心と脳には関わりがあることは確からしいが、脳イコール心というわけではなさそうだ。ではいったい、私たちの生命体らしさはどこにあるのだろうか。 生命体と機械はどう違うか 人間のような機械を創ることは、エンジニアにとって永遠に見果てぬ夢である。先日、外見が不気味なほど人間に似ている大阪大学の実験ロボットが評判になった。だがこれは顔の表情など外見を実在の人物から写しとったリモート制御の人形で、中身は空っぽである。本当の夢実現からはほど遠い。 求められるのは外見の類似ではなく、人間の「心」
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く