先日『暗号技術入門』を読みました。この過程で、アプリケーション開発で使用機会の多いbcryptについて気になり、調べてみました。 本記事では、bcryptを仕事で使う際に知っておいたほうが良さそうなことをまとめます。 環境 bcryptの挙動を説明するためにbcrypt-rubyを利用しています。 記事執筆時点で最新のv3.1.16を対象としています。 bcryptとは bcryptは一方向ハッシュ関数のアルゴリズムの1つであり、(パスワードなどの)データからハッシュ値を算出します。 bcryptの特徴として、ハッシュ値から元のデータを逆算されづらくするために、ソルトとコストがあります。 一方向ハッシュ関数とソルト、コストについては後述します。 ちなみに、「パスワードをハッシュ化する」という表現をよく見かけますが、これは「ハッシュ関数を用いてパスワードからハッシュ値を得る」と同義です。また