北海道よりやや小さい国土に2,200万人の人口を有するインド洋の島国スリランカが、未曽有の経済危機に陥っている。スリランカでは、26年間続いた内戦が2009年に終結、国内情勢安定化を背景に経済成長が加速した。しかし、2020年には、コロナショックがスリランカ経済を襲い、外国人観光客の激減などにより、2020年の経済成長率は▲3.6%とマイナスに転落した。2022年には経済危機に見舞われ、暴動が発生、大統領が国外逃亡、首相が「国家破産」を宣言するという異常事態に陥ってしまった。 スリランカの経済危機の引き金となったのは外貨準備の減少であった。以前から続いていた慢性的な貿易赤字に加え、コロナショックによって観光収入が激減したことで、外貨準備流出が止まらなくなり、2022年3月に、中央銀行が通貨ルピーの変動相場制移行を発表、それ以降、急激なルピー安が進行し、輸入品価格上昇に拍車がかかった。一方、