10代の頃の草間彌生のスケッチブックには、対象を的確に描きとめた動植物の写生が多く残されています。草間は単一モチーフの反復による抽象絵画でよく知られる作家ですが、活動初期に磨いた観察力と写生による具象的な作品表現は、彼女の創作活動の出発点であると同時に、幻視や内面のヴィジョンを具体的な形に表すものとして、その後もさまざまな変遷を遂げてきました。 本展は、1940年代から現在までに草間が制作してきた具象作品の多様な展開に着目いたします。渡米前のスケッチや日本画をはじめ、70~90年代に集中的に取り組んでいたコラージュ、1979年に着手して以降おびただしい点数を手がけている版画などには、具象的な描写が多く見られます。本展ではそれらの中に頻出する動植物や日用品といった親しみやすい身近なモチーフの作品をご紹介いたします。2000年以降に手がける近年の草間の画
![開催中の展示 - 開催中の展示 《開花の季節に涙するわたし》2015年 © Y | YAYOI KUSAMA MUSEUM 草間彌生美術館](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b5ff233e6e266a077523c87f9ac379484dda9537/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.yayoikusamamuseum.jp%2Fassets%2Fimages%2Fimage%2Fogimage.png)