宮崎県で発生した口蹄(こうてい)疫の影響で、海外でも人気が高まっている国産高級ブランド牛肉の輸出が、ほぼ全面的にストップしている。国際機関である「国際獣疫事務局(OIE)」から、家畜伝染病が発生した「非清浄国」に認定されたためだ。清浄国への復帰の条件は厳しく、再開の見通しは立っていない。昨年の輸出量が倍増するなど、政府の輸出支援を受けた販路開拓がようやく実を結び始めたところだけに、関係者は「これまでの努力が水の泡になりかねない」(商社の畜産担当)と危機感を募らせている。 政府は、口蹄疫の感染疑い例が出た4月20日に自主的な輸出の一時全面停止を決め、その後、個別協議で香港とマカオについては取引が再開された。だが、「清浄国」であることを取引条件とする主要輸出先のベトナム、米国、シンガポール、マレーシア、カナダ、アラブ首長国連邦との取引は停止したままだ。 政府は、農林水産業の活性化と競争力強化を