ウイグル人学生でエジプトに住むユヌス・トフティさんは、ある日、携帯のメッセージングアプリで中国の警察当局から連絡を受けました。警察は、ユヌスさんがいつ新疆ウイグル自治区に帰る予定なのかを聞き、パスポートのコピーなど個人情報の提供を求めました。身の危険を感じ、ユヌスさんはエジプトからオランダへ逃れましたが、数カ月後、警察はトルコに住む兄に電話し、新疆ウイグル自治区に残る両親を利用して帰国するよう脅しました。その後、ユヌスさんたちは両親と連絡が取れなくなっています。フランスやドイツに住む他のウイグル人も、中国当局による同様の脅迫を受けています。 中国政府による、イスラム教を信仰する民族を標的とした弾圧は、中国国内にとどまらず、世界各地に及んでいます。海外で暮らすウイグル人やカザフ人は、各国の中国大使館などから個人情報の提供を求められ、脅迫を受けたりしています。彼らは海外にいても身の危険を感じ、