米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの本格運用が見通せない。今年4月と6月に海兵隊仕様のMV22と空軍仕様のCV22の事故が相次いだダメージは大きく、沖縄や一時駐機中の山口の自治体が試験飛行や運用開始に難色を示しているためだが、日本側ではその能力の高さに20年以上前から注目していた。その証拠に、かつて2度にわたり自衛隊にオスプレイを導入することが極秘に検討されたことがある。 「平成2年に中期防をつくっているときだった。海上自衛隊がオスプレイの導入を提案してきたんだ」 ある防衛省OBはそう証言する。 複数のOBや現役幹部によると、海自がオスプレイ導入を検討したのは2年12月に閣議決定した「3~7年度中期防衛力整備計画(中期防)」の策定過程だったという。 中期防は主要装備の整備数量と5年間の経費総額を明示するものだが、海自は中期防に直接盛り込む装備とは別に「将来構想」としてオスプレイの