偽史という言葉は一般名詞として曖昧に用いられてきたことから、その定義はいくつかありうる[2]。 原田実は「捏造による文書・遺物や疑似科学的データに基づいた、アカデミズムからはまったく相手にされない学説」とした[4]。 なお長谷川亮一[5]は、偽史というのは必ずしも偽書に基づいているわけではない、と指摘したうえで、偽史の定義としては「信頼できない論拠(例:史料批判が不十分な史料、事実誤認、全くの想像など)を基に、非学問的な方法論によって組み立てられた、虚構の歴史」を示した[6]。 長谷川亮一は先行する研究もふまえつつ、偽史の例・類型として以下のようなものを挙げた[6]。 自民族起源論(同祖論) 自民族の出自を他の民族(古代文明の創始者などの“優秀な”民族)に強引に結びつけようとするもの[6][注釈 1][注釈 2]。 超古代文明論 古代に現代文明の水準をはるかに超える文明が存在したとするもの