福山市と岡山県西部でバス事業を展開している井笠鉄道(本社・岡山県笠岡市)は12日、今月末ですべての事業を廃止する届け出を中国運輸局岡山運輸支局に提出したと発表した。11月以降は主要路線の一部を中国バス(福山市)、北振バス(岡山県矢掛町)が引き継ぎ運行。井笠鉄道は事業引き継ぎ後に清算する見通しで、負債額は約32億円という。 発表によると、路線バスは76系統あり、廃止路線は中国バスなどが来週をめどに発表する予定。76系統のうち、大阪、広島行きの高速バス5系統は、同社が引き継ぐ。定期券と回数券、井笠鉄道専用のバスカードは来月以降、使用できなくなり、同社は払い戻しについて「検討中だが、現在のところは困難」としている。 同社によると、路線バスの輸送人員はピーク時の1967年度には約1575万人だったが、人口減少やマイカーの普及などで年々減少し、昨年度は213万人。約10年前から慢性的な赤字状態が続き