『マナセの祈り』(マナセのいのり)とは、旧約聖書文書のひとつ。西方教会では一般に旧約外典として扱われ、正教会等においては旧約聖書正典に分類される。1章からなる。日本正教会ではイウデヤ王マナシヤの祝文(イウデヤおうマナシヤのしゅくぶん)と呼ばれる。 15節からなる。題名が示すとおり、全文がひとつの祈りとして書かれている。神におのれの罪を告白し、へりくだって許しを請う内容である。激しい悔恨が文書の大部分を占めるものの、終結部では、神への信頼、祈りが聴き届けられ、神と和解する希望への確信が歌われ、その調子は必ずしも陰鬱なものではない。 題名が示すとおり、この文書はユダヤの王マナセに帰せられる。旧約聖書において、マナセはヤハウェ崇拝を堅持しなかった悪王として知られており、『列王記』下24:3-4では「ユダが主の御前から退けられることは…マナセの罪のため、彼の行ったすべての事のためであり…主はそれを
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方) 出典検索?: "十二小預言書" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2010年5月)
『ヨナ書』(ヨナしょ)は、旧約聖書文書のひとつ。ユダヤ教では「後の預言者」に、キリスト教では預言書に分類する。キリスト教でいう十二小預言書の5番目に位置する。4章からなる。内容は預言者のヨナと神のやりとりが中心になっているが、ヨナが大きな魚に飲まれる話が有名。著者は不明。 この書は、異邦人を主人公としているルツ記と同じように、イスラエルの民の選民思想・特権意識を否定しており、当時のユダヤ人には驚くべき内容であった。この点において旧約聖書文書の中で異彩を放っている。 緒論[編集] 構成[編集] 構成は、大きく分けて2部に分かれている。前半(1~2章)は、ヨナ自身の悔い改めの物語を描き、後半(3~4章)は、ヨナの宣教によってニネベの人々が悔い改めたことと、その後日談が描かれている。 主人公[編集] 旧約聖書・列王記下14章25節によると、ヨナ書の主人公であるアミタイの子ヨナは、預言者として、(
「ソドムとゴモラの破壊」(1852年、ジョン・マーティン画) 『ニュルンベルク年代記』に描かれたソドムとゴモラ 破壊される街から脱出するロトと妻子だが、神の言いつけを破って後ろを振り向いた妻が塩の柱になり始めている[注釈 1]。 ソドム(ヘブライ語:סדום、英語:Sodom)とゴモラ(עמורה、Gomorrah)は、聖書に登場する都市。旧約聖書の最初の書物『創世記』において、天からの硫黄と火によって滅ぼされたとされ、後代の預言者たちが言及している部分では、例外なくヤハウェの裁きによる滅びの象徴として用いられている。また、悪徳や頽廃の代名詞としても知られる[注釈 2]。 預言者アブラハムの甥にあたるロトと彼の家族は神の使いによりソドムの街を脱出した。 旧約時代からの伝承を受け継いで編纂された新約聖書においても、「ユダの手紙」において「ソドムやゴモラ、またその周辺の町は、この天使たちと同じ
詩篇第9篇 聖王ダヴィド(ダビデ)のイコン(18世紀・キジ島・ロシア正教会)。聖詠の半数近くが彼の作に帰せられている。 『詩篇』または『詩編』(しへん、ヘブライ語: תְּהִלִּים, ラテン文字転写: Təhillīm, ギリシア語: Βίβλος Ψαλμός, 英語: Psalms)は、旧約聖書に収められた150篇の神(ヤハウェ)への賛美の詩。英語では p を発音せずに「サーム」と発音する[1]。תְּהִלִּים(Təhillīm)及び Ψαλμός(psalmos)は讃歌という意味である。[2][3][4][5] 文語訳聖書では「詩篇」と表記し、口語訳聖書、新改訳聖書もそれを引き継いでいるが、新共同訳聖書、聖書協会共同訳聖書では「詩編」と表記している。日本ハリストス正教会では聖詠と呼ぶ。 概要[編集] グンケルは詩篇が用いられた祭儀の場面の性格、生の座と結びついた思想と雰
モーセ五書(モーセごしょ)は、旧約聖書の最初の5つの書である。時にはトーラー(ヘブライ語: תורה、Torah)とも呼ばれることがある。モーゼの五書、律法(りっぽう)、ペンタチューク(Pentateuch)とも呼ばれる。これらはモーセが書いたという伝承があったのでモーセ五書と言われるが、近代以降の文書仮説では異なる時代の合成文書であるという仮説を立て、モーセが直接書いたという説を否定する。ただし、保守的なキリスト教会と学者は今日もモーセ記者説を支持している[1][2]。また正教会における註解書には、こうした学説の対立に触れず、「伝統的に」モーセが著者であるとされているという記述にとどめているものもある[3]。 ケルンのグロッケンガッセ・シナゴーグのトーラー(羊皮紙に手書き) モーセ五書の巻物 モーセ五書一覧[編集] 創世記「בראשית」(ヘブライ語の原題は「初めに」[4]の意味) 出
光と闇の分離 『創世記』(そうせいき、(ヘブライ語:בראשית、ギリシア語:Γένεσις、英語: genesis)は、古代ヘブライ語によって記された、ユダヤ教、キリスト教の聖典とされ、キリスト教の啓典である聖書(旧約聖書)の最初の書かつ、正典の一つとして扱われている。写本が現存しており、モーセが著述したとされている。いわゆるモーセ五書は、ユダヤ教においてはトーラーと呼ばれている[1]。 『創世記』はヘブライ語では冒頭の言葉を取ってבראשית(ベレシート、bereshit)と呼ばれており、これは「はじめに」を意味する。また、ギリシア語の七十人訳では、2章4節[注 1]からとって「γένεσις(ゲネシス)」と呼ばれており[4]。「起源、誕生、創生、原因、開始、始まり、根源」の意である[5]。 主な内容[編集] 内容は、「天地創造と原初の人類」、「イスラエルの太祖たち」、「ヨセフ物語」
旧約聖書(きゅうやくせいしょ、英語: Old Testament)は、ユダヤ教およびキリスト教の正典である。「旧約聖書」は『新約聖書』も正典とするキリスト教による呼び方で、ユダヤ教では「旧約聖書」と呼ばず、正式の名は『律法(トーラー)、預言書(ネビイーム)と諸書(ケスビーム)』で[1][注 1][出典無効]、日常的にはその頭文字をとって『タナハ』あるいは読誦を意味する「ミクラー」と呼ぶ[3]。『旧約聖書』は原則としてヘブライ語で記載され、一部にアラム語で記載されている。 イスラム教では「タウラー」(トーラー、律法)と「ザブール」(詩篇)を啓典としてその正統性を認めている[4][注 2]。 『旧約聖書』とは、『新約聖書』の『コリントの信徒への手紙二』3章14節などの「旧い契約」という言葉をもとに、2世紀頃からキリスト教徒によって用いられ始めた呼称である。これは古い契約の書が旧約聖書であって、
『出エジプト記』(しゅつエジプトき、ヘブライ語: שמות、英語: Exodus)は、旧約聖書の2番目の書であり[1]、『創世記』の後を受け、モーセが虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。モーセ五書(トーラー)のひとつであり、ユダヤ教では本文冒頭より2番目の単語から『シェモース』(Shemot)と呼ぶ[注釈 1]。全40章から成る。 エジプト脱出とシナイ山での契約が二つの大きなテーマとなっている。キリスト教において旧約聖書という時、「旧約」すなわち古い契約というのはこのシナイにおける神と民との契約のことをさしている。 エジプト脱出 ヤコブ後のエジプトにおけるユダヤ人の状況(1章) モーセの物語(2章 - 4章) "エジプト第七の災い"、ジョン・マーティン、1824年 "エジプト最後の災い" エラストゥス・ソールズベリー・フィールド ファラオとの交渉と
「柳の峰」を背にした聖カタリナ修道院 聖カタリナ修道院(せいかたりなしゅうどういん、英語:Saint Catherine's Monastery、ギリシャ語:Η Ιερά Μονή Αγίας Αικατερίνης Όρους Σινά)は、エジプト、シナイ山の麓にある[1]峡谷の河口、シナイ半島に位置する正教会の修道院の名称[2]。他に聖カテリナ修道院、聖カトリーナ修道院、聖エカテリナ修道院とも称される。修道院は現在も継続して機能する、キリスト教:正教会の世界最古の修道院である。聖カタリナ修道院はユネスコの世界遺産にも登録されている。 聖ペトロのイコン。聖カタリナ修道院は現存する初期のイコンを収蔵しており、このような6世紀の蝋画法によるイコンも所有している。 1884年、西暦381年から384年頃に書かれたと見られる、古の手記の断片がイタリアのある図書館で発見され、当時の聖地の様子やシ
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