経済の成長戦略が問われる日本。そのためには、新たな付加価値を創り出していく企業の存在が不可欠だ。そこでカギを握るのは、企業を支える人材にほかならない。 どうやって1人ひとりの能力を最大限に引き出すか――。この解の1つが、「ダイバーシティ(多様性)」だ。年齢や性別などバックグラウンドの異なる人材が互いの立場を尊重しながら議論する中から生まれる「集合知」が、組織に創造性や活力をもたらすという考え方である。 実際、日本企業でも女性や外国人を登用する動きが出始めている。ただ、見逃されている層がある。「障害者」だ。 法定雇用率1.8%(従業員56人以上の民間企業の場合)をクリアしている企業は、2009年6月現在いまだ45.5%に留まる。本当の意味で障害者を「戦力化」できている企業は稀なのが現状だ。多くの企業経営者や人事担当者にとって、障害者雇用は「渋々ながら取り組んでいる義務」あるいは「やむを得ず支