【ニューデリー=田原徳容】インド東部の大都市コルカタ(旧称カルカッタ)中心部で、「車の邪魔」との理由から自転車の通行が禁止され、市民が困惑している。 市民団体は「環境に優しい自転車が見直されている世界の風潮にも逆行し、国の恥」と禁止撤回を求め、行政当局を提訴する構えだ。 人口約1400万人のコルカタは1日平均数十万台の車と自転車が行き交い、狭い道が多い中心部の渋滞が慢性化。当局は9月以降、渋滞解消のため174の道路で自転車を排除し、違反者から罰金110ルピー(約173円)の徴収を始めた。 自転車はインドで主要な交通手段で物品の運搬にも利用されており、市民団体によると、約250万人の生活に支障をきたしているという。同団体メンバーのビネ・ジャジュ氏は「渋滞は解消されず、大気汚染が悪化。通行制限が必要なのは車だ」と話した。