東証平均株価が下落してニュースになり、それが報道されるたびにマスコミが「改革の速度が遅いから」と言って叩く言論状況が出来上がっている。これから東証はさらに下落するだろうから、当面、この言論環境は変わらないということになるだろう。NHKの7時のニュースでは、証券会社の人間が「改革の遅れ」を厳しく批判する映像が流されていた。何となく切羽詰っている感じで、株が下がって困っている表情で、あまり「改革」の政策的中身を承知した上での訴えではなく、象徴言語として「改革」を言っているように聞こえる。とにかく株価が下げ止まって欲しいという願望があり、竹中平蔵たちがそう言っているから、それをそのままオウム返しで口から発しているという印象を受けた。NHKの7時のニュースはそんな感じで、つまり構造改革の加速について、この国の社会全体の利害ではなくて、一部の株式市場の利害者たちの要求であるという処理が施されている。