中国広東省を中心に使われる広東語を守れと訴える住民デモが同省広州市や香港で続いている。今年11月の広州アジア大会を前に地元テレビの使用言語を普通語(共通語)にするよう市長に提案があったのがきっかけ。当局は一部のデモ参加者を拘束するなど不満の抑え込みに躍起だ。【広州で鈴木玲子】 「警官隊が公園から参加者を追い出し、怒った住民と警官がもみ合いになった。警官は公園を包囲するほどすごい数だった」 広州市政府庁舎の目の前にある人民公園。近くの女性雑貨店主(40)が今月1日の集会の様子を振り返った。公園は今も警官が巡回する物々しさだ。 中国ではデモや集会は申請による当局の許可制だが、この日の無許可集会は2000人に膨れ上がった。公園から排除された参加者は路上に流れ、行進を続けたデモ隊は「広東語を守れ」と連呼。一部の参加者や記者が当局に一時拘束された。香港でも同日、民主派の活動家ら150人がデモを行った