2014年5月26日、インド人民党(BJP)のナレンドラ・モディ氏が第15代インド首相に就任した。 BJPは総選挙で単独過半数を超える議席を手にし、国民会議派が過去10年間担っていた政権を奪還した。インドでは過去四半世紀にわたり過半数を制する政党がなく、連立政権が常態化していただけに、今回の結果は驚きをもって受け止められている。 66.4%というインド史上最高の投票率を記録し有権者の高い関心が示された今回の選挙では、最近の同国の政治で当然視されてきた「常識」の多くが覆される結果が示された。その背景にあるのはインドに起きた経済・社会における変化と有権者のニーズの変化であり、BJPはこの状況に適応することで大勝した一方、与党・国民会議派は新たな潮流から取り残されてしまった。本稿では、この点について掘り下げるとともに、新たに発足したモディ政権の展望についても考察を行っていく。 新たにインド首相に