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ブックマーク / www.astroarts.co.jp (386)

  • 新種族の天体を大量に発見、ミッシング・バリオンの可能性

    ハッブル宇宙望遠鏡でとらえた画像を用いて「宇宙の明るさ」のゆらぎを解析したところ、これまでゴミと思われていた光の点が、新たな種族の天体であることが明らかになった。従来の観測では把握できなかった「ミッシング・バリオン」かもしれない。 【2019年8月1日 東京都市大学】 これまでに赤外線宇宙望遠鏡「IRTS」や「あかり」による近赤外線領域の観測から、宇宙の明るさ、およびその「ゆらぎ」が既知の天体から予想されるより大きいことが見出されている。また、可視光線でも空が予想より明るいことが確認されており、宇宙には「未知の光源」が存在することが予想されていた。 JAXA宇宙科学研究所の松敏雄さんと東京都市大学の津村耕司さんは、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、現時点で人類が手にしている最も暗い天体まで写っている「ハッブル・エクストリーム・ディープ・フィールド」の画像の空間構造を解析し、新たな情報を引き出

    新種族の天体を大量に発見、ミッシング・バリオンの可能性
  • 天王星や海王星内部の磁場の起源は「金属の水」

    水を主成分とする試料をレーザーで圧縮する実験で、水が光を強く反射する金属状態になることが確かめられた。天王星や海王星内部の磁場の源が「金属の水」に流れる電流であることを示す結果である。 【2019年7月17日 岡山大学】 「巨大氷惑星」に分類される天王星と海王星は水を主成分とした惑星で、そこに少量の炭素と窒素を含む分子(メタンやアンモニア)が混じっていると考えられている。 ボイジャー2号が撮影した天王星(左)と海王星(右)。大きさは地球の約4倍、質量は約15倍(天王星)および約17倍(海王星)。中央は大きさの比較のために示した地球(提供:岡山大学プレスリリースより、以下同) 1980年代に天王星と海王星に相次いで到達したNASAの探査機「ボイジャー2号」によって、これらの氷惑星の内部から、地球の数十倍の強さの磁場が発生していることが明らかになった。このような強い磁場が作られるためには、氷惑

    天王星や海王星内部の磁場の起源は「金属の水」
  • 初めてとらえられた銀河団衝突の瞬間

    X線天文衛星「すざく」や電波望遠鏡などを用いた観測で、銀河団同士が衝突するときに発生する衝撃波が初めて観測された。銀河団の形成と進化の過程を理解するうえで重要な成果となる。 【2019年7月16日 理化学研究所/宇宙科学研究所】 宇宙では数百億~数千億個の星が集まって銀河が形成され、さらにその銀河が数百個以上も集まって銀河団が形成される。銀河団は宇宙の大規模構造の「節」の部分に対応していて、その直径は数億光年にも達しており、重力で束縛された天体としては宇宙で最大のものだ。 銀河団は宇宙の歴史の中で、互いに衝突と合体を繰り返すことで成長してきたと考えられている。銀河団同士の衝突が完了するまでには数十億年程度かかると推定されており、ある銀河団で衝突の全ての段階を観測することは不可能だ。そのため、銀河団の進化の歴史を調べるには、異なる衝突段階にある銀河団をスナップショットとして多数観測する必要が

    初めてとらえられた銀河団衝突の瞬間
  • 宇宙最初の星の超新星爆発は球形ではなかった?

    宇宙で最初に生まれた「初代星」の超新星爆発は球対称ではなく、非対称なジェットを伴う激しい現象だったらしいことが観測とシミュレーションから明らかになった。 【2019年5月31日 カブリIPMU/マサチューセッツ工科大学】 138億年前のビッグバンで誕生した直後の宇宙には、水素とヘリウムとごくわずかな量のリチウムしか存在しなかった。これらの元素から初期宇宙で最初に恒星が生まれたのはビッグバンの数億年後と考えられており、その星々は「第一世代星」や「初代星(first star)」と呼ばれていている。 水素とヘリウムしか含まない原始ガス雲は光を出して冷えることがあまりできないため、重力が圧力に打ち勝って収縮し、星になるためには、ガス雲の質量が大きい必要がある。そのため、初代星は太陽質量の100倍くらいの非常に重い星が多く、わずか1000万年程度で超新星爆発を起こしたと考えられている。リチウムより

    宇宙最初の星の超新星爆発は球形ではなかった?
  • 火星の北極の地下に大量の氷を発見

    火星の北極の地下に氷の層が存在することが発見された。太古の極冠の名残と考えられ、火星で最大級の水源の一つかもしれない。 【2019年5月29日 テキサス大学】 米・テキサス大学地球物理学研究所のStefano Nerozziさんと米・アリゾナ大学月惑星研究所のJack Holtさんは、NASAのマーズ・リコナサンス・オービター(MRO)に搭載されている浅部レーダー(SHARAD)で観測されたデータから、火星の北極の地下に広がる氷の層を発見した。深さは地下約1500mで、砂と氷が交互に堆積した互層になっており、場所によっては水分を90%も含んでいる。この氷の層がすべて融けると火星の全球が深さ1.5mの水で覆われるほどの量になる。 火星の北極にある極冠。垂直方向の凹凸を強調している(提供:SA/DLR/FU Berlin; NASA MGS MOLA Science Team) 「火星の北極の

    火星の北極の地下に大量の氷を発見
    nagaichi
    nagaichi 2019/05/31
    キム・スタンリー・ロビンスンの火星三部作とかでも火星の北極の氷は利用しまくってたから、既視感もとい既知感のあるニュースだな。
  • ウルティマ・トゥーレの鮮明な画像

    NASAの探査機ニューホライズンズが今年初めにとらえた、「ウルティマ・トゥーレ」の愛称で呼ばれる太陽系外縁天体2014 MU69の鮮明な画像が公開された。 【2019年1月30日 ジョンズ・ホプキンズ大学応用物理学研究所】 ニューホライズンズは1月1日の14時30分ごろ(日時間)に、太陽系外縁天体2014 MU69「ウルティマ・トゥーレ」をフライバイ(接近通過)して探査した。画像は最接近の7分前に、6700kmの距離から多色可視光線撮像カメラ「MVIC」を使って撮影されたものだ。オリジナル画像は解像度が1ピクセルあたり135mで、これまでに公開された中で最も鮮明な画像となっている。 2014 MU69「ウルティマ・トゥーレ」。画像処理により細かい部分が強調されている(提供:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/S

    ウルティマ・トゥーレの鮮明な画像
  • 小型望遠鏡で発見、約50億km彼方にある直径3km弱の小天体

    口径28cmの小型望遠鏡を用いた観測により、地球から約50億km彼方のエッジワース・カイパーベルトに半径1.3kmほどの小天体が見つかった。同領域内にこれほど小さい天体が発見されたのは初めてのことだ。 【2019年1月30日 京都大学/ 神戸大学/東北大学/国立天文台/京都産業大学/JAXA宇宙科学研究所】 太陽系の惑星は約46億年前に、半径1~10km程度の微惑星が衝突と合体を繰り返して作られ、大きくなったと考えられている。その微惑星の一部は今でも、海王星より遠方の「エッジワース・カイパーベルト」(以下、カイパーベルト)という領域に生き残っていると予見されてきた。 カイパーベルトには冥王星をはじめ1000kmサイズの天体がいくつも見つかっており、今年初めに探査機「ニューホライズンズ」が接近探査を行った長径30kmほどの小惑星2014 MU69(愛称「ウルティマ・トゥーレ」)のような小天体

    小型望遠鏡で発見、約50億km彼方にある直径3km弱の小天体
  • 星形成活動が劇的に上昇した大小マゼラン雲

    大マゼラン雲と小マゼラン雲の星の組成に関する詳細なマップが作成され、2つの銀河における星形成の歴史が再構築された。両銀河の星形成率は20億年前から急上昇していたようだ。 【2019年1月29日 アメリカ国立光学天文台】 アメリカ国立光学天文台(NOAO)および米・モンタナ州立大学のDavid Nideverさんたちの研究チームが、天の川銀河の伴銀河である大マゼラン雲と小マゼラン雲に含まれる星のデータから、両銀河の星の形成史に関する研究を行った。 大マゼラン雲(中央左)と小マゼラン雲(中央右)(撮影:m2さん)。画像クリックで天体写真ギャラリーのページへ 星のスペクトルを調べると、星の運動や温度、化学組成、さらに一生のうちでどの段階にあるかといった情報がわかる。これらの情報から、銀河の中でどの時代にどのくらい星が作られていたかという歴史を推測することができるのだ。 重い星は寿命が短く、一生の

    星形成活動が劇的に上昇した大小マゼラン雲
  • 極超新星は光速ジェットにより引き起こされる

    5億光年彼方で発生したガンマ線バーストのスペクトル解析や理論計算から、ガンマ線バーストを引き起こした極超新星に光速の30%以上もの高速成分が付随することなどが明らかになった。極超新星が光速ジェットにより起こる爆発現象であるという理論を支持する成果である。 【2019年1月24日 京都大学/レスター大学/アンダルシア天体物理学研究所】 宇宙で最も高エネルギーの爆発現象であるガンマ線バースト(とくに継続時間が数秒以上のもの)は、太陽が100億年かけて放出するエネルギーを軽々と上回るほどの莫大なエネルギーが数秒~数十秒程度の間に放出される。そのうち一部のガンマ線バーストは、超新星を伴って現れることが知られている。そのような超新星には、高速膨張する超新星放出物質によって作られる性質が見られることから、通常の超新星の10倍以上の爆発エネルギーを持つ「極超新星」と解釈されている。 標準的なモデルでは、

    極超新星は光速ジェットにより引き起こされる
  • 金星探査機「あかつき」、延長ミッションに移行 - アストロアーツ

    JAXAの金星探査機「あかつき」が2016年4月から2年間の定常運用を終え、今後は3年間の延長運用に移行することが発表された。 【2018年12月10日 JAXA】 「あかつき」は2010年5月に打ち上げられ、同12月7日に金星周回軌道に投入される予定だったが、軌道投入のための逆噴射を行う主エンジンが噴射途中で破損し、金星周回軌道への投入に失敗した。そこで、5年後の2015年12月7日に姿勢制御用のスラスターを使って再び軌道投入を試み、遠金点が44万km、周期14日で金星の周りを公転する長楕円軌道に投入することに成功した。その後、2016年4月に軌道修正が行われ、近金点8000〜1万km、遠金点36万km、周期10.5日の軌道で定常観測を行ってきた。 「あかつき」はこれまでの観測で、金星大気の中層から下層にかけての赤道付近にジェット状の風の流れ(赤道ジェット)が存在することを明らかにしたり

    金星探査機「あかつき」、延長ミッションに移行 - アストロアーツ
    nagaichi
    nagaichi 2018/12/11
    金星の濃厚すぎる大気の半分を火星に送れたらなあ。
  • 天の川銀河中心部で謎の「G天体」を新たに発見

    天の川銀河の中心部で「G天体」と呼ばれる奇妙な天体の候補が新たに3個見つかった。ガス雲に似ているが恒星のような振る舞いもする天体で、正体は謎のままだ。 【2018年6月12日 W.M.ケック天文台】 米・カリフォルニア工科大学ロサンゼルス校のAnna Ciurloさんたちの研究チームが、米・ハワイのW.M.ケック天文台の撮像分光装置「OSIRIS」によって得られた12年間にわたる分光観測データから、天の川銀河の中心部に不思議な天体を複数発見した。 Ciurloさんたちが発見した天体は塵に富んだ恒星状の天体で、「G天体(G-object)」と呼ばれている。天の川銀河の中心ブラックホールの周りでG天体が最初に発見されたのは10年以上前のことだ。2004年に最初のG天体「G1」が見つかり、2012年に「G2」が発見された。非常に大きな速度で運動しており、中心ブラックホールのすぐそばまで近づく軌道

    天の川銀河中心部で謎の「G天体」を新たに発見
  • 系外惑星の生命には惑星の傾きや軌道の形も大事

    系外惑星の自転軸の傾きや軌道の形が極端に変化する場合、ハビタブルゾーンに存在する惑星であっても突然の全球凍結が起こりうることが、シミュレーション研究で示された。 【2018年5月21日 ワシントン大学】 米・ワシントン大学のRussell Deitrickさんたちの研究チームが、「ハビタブルゾーン」(岩石惑星の表面に液体の水が存在できる温度領域)に惑星が位置していても、必ずしもそれが生命に適した環境だと判断する証拠になるわけではないという研究結果を発表した。ポイントとなるのは惑星の赤道傾斜角と離心率だという。 赤道傾斜角は惑星の自転軸の傾きのことで、地球の場合は約23.4度だ。自転軸が傾いていることにより、惑星には季節変化が生じる。また、離心率は惑星の公転軌道の形を表す値で、軌道がどのくらいつぶれた楕円であるかを示す(0は真円、1に近いほどつぶれた円で、地球は約0.02)。軌道が楕円形だと

    系外惑星の生命には惑星の傾きや軌道の形も大事
    nagaichi
    nagaichi 2018/05/22
    地球も「全球凍結」してたことあって、原生代の大量絶滅を引き起こしたけど、多細胞生物の出現を準備してもいるわけでな。
  • 50億年後、太陽が死ぬと何が起こるのか

    約50億年後に太陽が寿命の終わりを迎えると何が起こるのかは、これまではっきりとは明らかになっていなかったが、どうやら暗い惑星状星雲が形成されるらしいことが最新の研究から示された。 【2018年5月14日 The University of Manchester】 質量が太陽の数倍程度以下の恒星は、一生の最終段階でガスや塵の外層を放出する。その外層部分が、あとに残った高温の中心核に照らされて輝いて見えるのが惑星状星雲だ。惑星状星雲のなかには数千万光年彼方にあっても見えるほど明るいものもあるが、これは惑星状星雲になる前の恒星であれば暗すぎて見えないほど遠い距離である。 惑星状星雲「Abell 39」。ヘルクレス座の方向7000光年の距離に位置し、直径は約5光年、殻の部分の厚さは約3分の1光年(提供:WIYN/NOAO/NSF) 太陽も、あと約50億年ほどすると一生を終えるとみられている。その最

    50億年後、太陽が死ぬと何が起こるのか
  • 銀河団は今でも成長中、基本法則を発見

    銀河団の多くは成長が止まった落ち着いた状態にあると考えられてきたが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測データなどを元にした研究で、銀河団は今も成長中であることが明らかにされ、成長の様子を表すシンプルな法則が発見された。 【2018年4月27日 大阪大学】 銀河団は1000万光年ほどの範囲の中に銀河が数百個から数千個集まった、宇宙最大の天体である。銀河団には太陽の1000兆倍もの質量が含まれているが、そのほとんどはダークマターのため、電磁波による観測では銀河団の大きさや質量を正確に測定することは難しい。 銀河団の大きさや質量を測定する方法の一つに、重力レンズ効果を用いるというものがある。銀河団の重力はレンズのような役割を果たし、銀河団の背後にある天体からの光を曲げるので、背後の天体の形が歪んで見える。この変形の度合いを精密に測定すれば、レンズとなっている銀河団の重力場がわかり、そこから大きさや質量を知

    銀河団は今でも成長中、基本法則を発見
    nagaichi
    nagaichi 2018/05/04
    宇宙は熱死に向かっても、銀河は熱死しないかもしれない…とか?
  • オウムアムアは巨大惑星に破壊された彗星かもしれない

    観測史上初の恒星間天体「オウムアムア」の正体は岩石質の小惑星ではなく、故郷の惑星系で巨大ガス惑星の重力によって破壊された彗星の破片ではないかとする研究が発表された。 【2018年4月2日 NASA】 米・ハワイのパンスターズ1望遠鏡で発見された「オウムアムア」は、太陽系外からやってきた観測史上初の恒星間天体と考えられている。昨年9月19日に時速約31万5000kmという猛烈な速度で太陽からわずか0.25天文単位(約3700万km)の距離を通過した。現在は太陽から遠ざかりつつあり、今年5月には木星軌道を越え、そのまま太陽系を脱出する見込みだ。 通常、太陽系の中をオウムアムアほどの高速で移動する天体といえば、太陽系の外縁部からやってきて太陽に向かって落ちてくる彗星が挙げられる。彗星は、大きさが家一軒ほどから幅数kmくらいまでの氷天体で、太陽に接近すると暖められてガスや塵を放出する。しかしオウム

    オウムアムアは巨大惑星に破壊された彗星かもしれない
  • オウムアムアの故郷は連星系

    最新の研究によると、観測史上初の恒星間天体である「オウムアムア」は連星系からやってきた可能性が高いようだ。 【2018年3月23日 RAS】 ハワイ語で「偵察兵、斥候」の意味の名を持つ「オウムアムア」は、2017年10月19日に米・ハワイのハレアカラ天文台で発見された差し渡し400mの小天体である。運動の軌道や速度の情報から、オウムアムアが太陽系外からやってきたことはほぼ確実とみられ、観測史上初の恒星間天体とされている。 オウムアムアは発見当初は彗星だと考えられたが、ガスの放出が見られなかったことや表面のスペクトル観測などから、岩石質の天体であることが示された。カナダ・トロント大学スカボロー・惑星科学センターのAlan Jacksonさんは、オウムアムアが小惑星であることが実に意外だったと話している。彗星の方が見つけやすく、また太陽系で考えると小惑星よりも彗星のほうが数多く放出されるため、

    オウムアムアの故郷は連星系
  • 宇宙最初の星々が宇宙背景放射に残した痕跡を初検出

    ビッグバンから1億8000万年後という宇宙の歴史のごく初期に「宇宙最初の恒星」が生まれた証拠となる電波信号が初めて検出された。 【2018年3月6日 米国国立科学財団】 私たちの宇宙は約138億年前にビッグバンと呼ばれる超高温の状態から誕生したと考えられている。ビッグバンから約38万年が経ったころには宇宙の温度が下がり、中性の水素原子が作られた。このころの宇宙には、物質は中性水素ガスとダークマターしか存在せず、光を放つ天体は生まれていなかった。「宇宙の暗黒時代」と呼ばれるこの時代は、数億年にわたって続いたと考えられている。 やがて、物質密度の高い部分が重力で集まって収縮し、最初の恒星や銀河が生まれると、恒星から放射される強い紫外線によって中性水素ガスはすべて電離された。この「宇宙の再電離」によって宇宙の暗黒時代は終わったとされる。しかし、宇宙最初の恒星がいつ生まれ、再電離がいつごろ起こった

    宇宙最初の星々が宇宙背景放射に残した痕跡を初検出
  • これまでで最遠、105億年前の超新星を発見

    詳しく観測された超新星としてはこれまでで最も遠い、105億年前の超新星爆発がサーベイ観測プロジェクトで発見された。 【2018年2月26日 ポーツマス大学】 英・サウサンプトン大学のMathew Smithさん、英・ポーツマス大学のBob Nicholさんたちの研究チームが、チリのセロ・トロロ汎米天文台で行われているプロジェクト「ダークエネルギーサーベイ(DES)」で2016年8月に得られた観測データから、ろ座の方向に超新星DES16C2nmを発見した。 同年10月にチリ・ヨーロッパ南天天文台のVLTやラス・カンパナス天文台のマゼラン望遠鏡、ハワイのケック望遠鏡などでこの超新星の分光観測を行ったところ、超新星の赤方偏移が1.998であることが判明し、これまでに距離が測定された超新星の中では最も古く、最も遠い距離で起こったものであることが明らかとなった。年代に換算すると、今から105億年前に

    これまでで最遠、105億年前の超新星を発見
  • ニューホライズンズ、28年ぶりに史上最遠撮影記録を更新

    探査機「ニューホライズンズ」が昨年12月に撮影したカイパーベルト天体の画像が公開された。地球から最も遠い場所で行われた撮影の記録を約28年ぶりに更新するものだ。 【2018年2月19日 NASA】 1990年2月14日、NASAの探査機「ボイジャー1号」は地球から約60.6億kmの彼方で地球の方向を振り返り、遠ざかる太陽系の姿を60枚の画像に収めた。そのときに撮影された1枚は「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」と呼ばれ、地球が淡く青い点として写されている。 「ボイジャー1号」がとらえた「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」(提供:NASA/JPL) それから約28年後の昨年12月5日、NASAの探査機「ニューホライズンズ」は当時のボイジャー1号よりもさらに遠い、地球から約61.2億kmの距離に到達し、長焦点カメラ「LORRI」を使って、りゅうこつ座の方

    ニューホライズンズ、28年ぶりに史上最遠撮影記録を更新
  • 衛星「あらせ」、明滅するオーロラの起源を解明

    ジオスペース探査衛星「あらせ」が取得したデータから、脈打つように明滅する「脈動オーロラ」の起源について、プラズマ波動「コーラス」に揺さぶられた電子が地球の大気に降り注ぐことで発生するという予想が初めて直接的に裏付けられた。 【2018年2月16日 JAXA】 高緯度地方の夜空を覆うオーロラ嵐は、地球の磁気圏に蓄えられた太陽風のエネルギーが急激に解放されることで生じる。典型的なオーロラ嵐では、まず夕方から真夜中にかけてカーテン状の明るいオーロラが現れて爆発的に舞い、その後に朝側で淡く明滅する斑点状のオーロラが現れる。 斑点一つのサイズは数十から数百kmで、数秒から数十秒の周期で明滅(脈動)を繰り返す。この明滅する「脈動オーロラ」は、磁気圏の高エネルギー電子が高度100km付近の上層大気に向けて降ったり止んだりして生じることが、過去の地球近傍での観測からわかっていた。しかし、こうした電子の間欠

    衛星「あらせ」、明滅するオーロラの起源を解明