灰色の砕石と安全柵に囲まれたアイボリーの立方体「キュービクル式高圧受電設備」 増田女学院の生徒にとっては卒業時の定番告白スポットである。 しかし、今日の待ち合わせは、場所にふさわしく硬質だった。 ローファーの足音高くやってきたのは、おさげのお嬢様。 金網の内側にもたれて待っていた姫カットのお嬢様はおもてを上げた。 「待ちくたびれましたよ。おかげでオリンピックを作ってしまいました」 「オリンピックを作る?」 姫カットのお嬢様は青・黄・黒・緑・赤、五色のインシュロックをW字型に結びつけたものを示した。 「……深遠なセンスをなされているんですね」 「お褒めにあずかり光栄至極」 おさげのお嬢様は溜息を深呼吸につなげて止め、サンダーのスイッチを入れた。 「その前髪、もっとぱっつんにしてさしあげます!」 金の卵をこしだめに構えて、まっすぐ進む姿はさながら古代の丸ノコ鮫ヘリコプリオン。 渦を巻く歯に噛ま
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