聲の形 監督 山田尚子 知っての通り、10代そこそこの青春がなんの屈折もなく上手くいくことなんて希少ですよ。上手くいった青春ばかりがシネコンでは毎年映画にされるわけなんですけど、大多数の人にとってはそんなのありえないわけですからね。とりわけアニメの書き散らしなんて最悪で暇なことやってる類にいたっては、世間には希少とされる10代という期間の上手くいかなさの代償を膨大な映画や音楽、漫画やらで埋め尽くし、うそくさく上手くいった青春ばかりを描く有名俳優ばかりがでる映画に唾を吐き、一切観なくなるか、挫折や破綻ばかりを暴く呪いに満ちた青春映画に感情移入するようになるのです。 そして挫折や破綻を描く青春映画というのはほんとうに観終わった後とぼとぼ歩きながら家に帰るような体験です。挫折や破綻を美しく描くことは難しい。だが美しく描く可能性がある作品が現れました。それが『聲の形』です。 社会問題枠として障がい
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