【森山敏男】ボタンを押したり、踏み台を踏んだりすれば扉が開く「電気不要の自動ドア」を、愛知県安城市新明町の酒井隆敏さん(40)が考案した。大手企業を脱サラし、昨秋に本格的に起業。名古屋市で11月にあったビジネスコンテストでは、101社中、最高のグランプリを受賞した。「病院や障害者施設などで、体の不自由な人の役に立てば」と話している。 ドアは、歯車の組み合わせで力を増幅させ、扉を左右に動かして開閉する仕組み。踏み台を踏むタイプやボタンを押すタイプ、マットを踏むタイプがある。扉が閉まるまでの時間も30秒から3分の間で調整することができ、車いすでも挟まれる心配はないという。 酒井さんは、安城市内にある世界最大手の自動変速機メーカーの元社員。設計を担当し、歯車はいつも身近な存在だった。「自動ドア」の仕組みがひらめき、様々な特許を取得したのが2010年8月。在職中の11年5月には「東海エコ工業」を設