膨張する中国のマネーは今、どう動いているのか。中国の情勢に詳しいジャーナリスト・富坂聰氏が指摘する。 * * * 春節が迫る1月中旬、中国の国務院の国管局は、中央省庁の公務員の接待費が対前年比で33%減少したと発表した。CCTVなど主要メディアが一斉に報じた。 この時期の公表には、習近平体制になって打ち出された贅沢禁止令が大きな効果を上げたことを強調する目的と同時に1年で最も消費が刺激されるこの一大商戦期を前に、官僚たちが気を緩めて宴会に興じたりすることのないようにする戒めの意味があったと考えられた。 国管局の調査は、中央省庁の食堂から出される生ごみの量が減少したことまで及んでおり、さすがに官僚たちから苦笑が漏れたという。 だが、贅沢禁止令により高級品の消費が落ち込み、高級レストランの倒産や業種転換が進んだ一方で、官僚たちに利益が集中するといった不公平な実態は、現実には何も変わっていないと