東京電力福島第一原発事故後に避難が遅れ、入院患者約40人が死亡した福島県大熊町の双葉病院を運営する医療法人博文会が12日までに、患者の救出時に「病院関係者は1人も残っていなかった」などとした同県の事故当時の発表が事実に反していたとして、県に対し、新聞への謝罪広告の掲載などを求める訴訟を福島地裁に起こした。 訴状によると、県は原発事故後の2011年3月17日、患者の救出時の状況を「14日から16日にかけて重篤な患者だけが双葉病院に取り残された。自衛隊が救出に向かったが、病院には病院関係者が1人も残っていなかった」とする内容を発表した。それが報道された結果、病院が患者を見捨てたなどの悪評が立った、と訴えている。 博文会は「14日には病院に院長ら6人がおり、救出に立ち会った」などと主張していて、県に対し、全国紙や地元紙などの新聞に謝罪広告を出すことや、県のホームページに謝罪文を掲載することを求め