東京証券取引所に上場している企業のことし3月期(昨年度)の決算発表が佳境を迎えています。そこから浮き上がるのは年明け以降進んだ円高や株安が、好調だった日本企業の業績に大きな影響を与えている姿です。アベノミクスの旗頭、大規模緩和がもたらした円安・株高で2年連続過去最高を記録してきた業績が転換点を迎えているのでしょうか。(経済部 阿知波美帆) 今年度の企業業績は 上場企業の、1年間のいわば「成績発表」とも言える決算発表。 東証1部の上場企業の3月期決算を毎年まとめているのが大手証券会社の「SMBC日興証券」です。5月13日までに発表を終えた企業は全体の96.5%に当たる1384社です。 各企業の経常利益の合計は42兆3790億円と、円安などを背景に過去最高だった前年度より0.5%減少しました。順調な増益を続けてきた「日本株式会社」の業績が頭打ちとなった形です。 業種別に見ますと、▽原油価格の