同じような不満を持つ人はかなりいるでしょう。そんな人の間で、さまざまな特色を持つ小さな、私設図書館の良さが最近、あらためて注目されているようです。 玄光社の『TOKYO図書館紀行』(1200円+税)は、わざわざ訪ねていきたい専門図書館や、新しい趣向を駆使した図書館、それから建物や室内自体が「アート」になった図書館を集めたガイドブックです。30の図書館を紹介していますが、なかでも、「新しい世界と出会う、専門図書館」として紹介されている8か所は、もともと趣味を持っている人なら、まさに情報の宝庫。「本」だけでなく、そのジャンルの歴史を伝えるさまざまな資料が詰まった価値ある空間です。 たとえば、東京都北区王子にある「紙の博物館 図書室」(電話03-3916-2320、月曜が原則お休み、入館料300円)。カラー写真で見たその内部は、まさに閲覧の悦楽の園といった感じです。そもそも紙でできているのが本。