[読書] 吉川徹『学歴分断社会』 (ちくま新書、09年3月刊) [続き] (写真は著者近影、著者のブログは http://kikkawa.blog.eonet.jp/default/ ) [承前] 著者は、三浦展氏の『下流社会』(2005)の論点を踏まえながら、「下流」問題を「学歴分断線」の視点から再解釈する(本書第6章)。その際の論拠となるデータは、社会学者による大規模な共同研究「2005年SSM調査(社会階層と社会移動全国調査)」その他である。まず重要な一点であるが、「自分を下流だと思う人」が増えているわけではない。「自分をどの階層だと思うか? 上、中の上、中の下、下の上、下の下、のどれ?」という問いに対する答えは、30年間まったく変わっていない。p159のグラフは驚くべきものだが、1975年以降の30年にわたる調査で、2006年に「下の下」と「下の上」がほんの僅かだけ増えているが、実
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