社会を知るためには (ちくまプリマー新書) 作者:筒井淳也発売日: 2020/09/09メディア: 新書 (前回の続きです。本は初学者向けですが、「補論」シリーズはそうではないかもしれないので、ご理解ください。) 社会の各部分の「噛み合わなさ」を考えるとき、私自身は以下のようなリストを思い描いている。(このリストは本では示していない。) 政策・プログラム:意図的な目的に沿った介入。 構造要因:経済(産業・職業・雇用)構造、人口構造、家族構成など。結果的にもたらされている状態。 価値観・態度:人々が望ましいと考える状態。 社会学や近隣分野では、しばしばこれらの要素の絡み合いによって「社会を記述」する。たとえば(第一次)人口転換の先の出生力の低下についていえば、「経済成長の鈍化と産業構造の変化が女性の労働力参加をもたらし、出生力の低下圧力がかかったが、男女均等の価値観の浸透もあり、両立支援政策