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ブックマーク / closetothewall.hatenablog.com (43)

  • 去年の文学フリマで買ったものを読んでいた - Close To The Wall

    文学フリマ東京37で買ったものの、全部ではないけど読んだものを。 羽織虫「熱水噴出孔より」シリーズ わかしょ文庫『そこにあるだけ』 サワラギ校正部『校正のたね』 『別冊代わりに読む人 試行錯誤1』 オルタナ旧市街『一般』 奥山さと『ちっとも懐かしくない町』 にちようだな『たなおろし 聞いてないこと』 柿内正午『会社員の哲学 増補版』 『HAMBURG RESTAURANT』 「吟醸掌篇vol.4」 羽織虫「熱水噴出孔より」シリーズ vol.3から5までと1.5を読んだ。後藤明生オリエンテーリングで初めて会って、相互フォローになったり文学フリマで会ったりした氏にこんな趣味や体験があったのか、という面白さもあるし、単体のエッセイとして良かった。『前歯』の加齢の実感的によくわかる感じや『佐藤さんの手』の急展開にびっくりしたけど特に『ショーツの畳み方』は良かった。ニュージーランドで一年過ごしていた

    去年の文学フリマで買ったものを読んでいた - Close To The Wall
    namawakari
    namawakari 2024/07/14
    “柿内正午『会社員の哲学 増補版』”
  • イスマイル・カダレを読む(「幻視社第五号」より) - Close To The Wall

    アルバニアの小説家イスマイル・カダレが亡くなった。 アルバニアの著名小説家が死去 イスマイル・カダレさん、88歳(共同通信) - Yahoo!ニュース 誰がドルンチナを連れ戻したか 作者:イスマイル カダレ白水社Amazon 15年ほど前に『誰がドルンチナを連れ戻したか』を読んだのをきっかけに東欧文学に関心を抱いて〈東欧の想像力〉叢書その他を読みはじめ、その挙句に二年後の2011年にはイスマイル・カダレと〈東欧の想像力〉特集として同人誌「幻視社第五号」を出したきっかけになった作家だ。後に『ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち』にもカダレの項目を書くことになった。 イスマイル・カダレ - 誰がドルンチナを連れ戻したか - Close To The Wall 2011 幻視社第五号PDF版 ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち 青月社Amazonノーベル文学賞でも取ってもっと翻訳が出て欲しいと

    イスマイル・カダレを読む(「幻視社第五号」より) - Close To The Wall
  • 最近読んでた本2024.03 - Close To The Wall

    H・G・ウェルズ『盗まれた細菌・初めての飛行機』 いのり。『勇者になりたい少女と、勇者になるべき彼女』 神沼三平太、若衣織、蛙坂須美『怪談番外地 蠱毒の坩堝』 中村光夫編『吉田健一随筆集』 河﨑秋子『颶風の王』 河﨑秋子『鯨の岬』 ジョン・スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』 クリストファー・プリースト『落ち逝く』 ボルヘス『シェイクスピアの記憶』 エーリッヒ・ケストナー『独裁者の学校』 仙田学・作、田中六大・絵『トイレ野ようこさん』 H・G・ウェルズ『盗まれた細菌・初めての飛行機』 盗まれた細菌,初めての飛行機 (光文社古典新訳文庫 Aウ 4-1) 作者:ハーバート・ジョージ ウェルズ光文社Amazon年明けヴェルヌを読んだしウェルズが読みたくなって随分前に買っていたこれをさっと引き出して読

    最近読んでた本2024.03 - Close To The Wall
  • 2023年に見ていたアニメ - Close To The Wall

    毎年のやつだけど、2022年の記事の文字数が9万5000字を超えてしまい、書く方も大変だけど読む方も厳しいだろうしさすがに反省したので今年は各項目をできるだけ短くするよう心掛けた。去年は一作5000字とか4000字とかあったけど今年は一作1000字台で収めております。そうして減らしたのに今年は異様にアニメ数が多く、取り上げる作品数も増えたため結局分量を減らせなかったどころか1万字増えてしまった。週に何見ているかを毎クール数えているけれど、冬で週に50を超えたのは初めてだし秋にも50を超え、週ごとアニメ視聴数の4クール総計は187で、去年の154の二割増しでかなり増えている。去年はとりあえず項目を立てたのが計93作で今年は概ね毎期30近くで計111。減ったけど減ってない。なんたる。 2023年アニメ10選 冬クール(1-3月) 人間不信の冒険者たちが世界を救うようです もういっぽん!

    2023年に見ていたアニメ - Close To The Wall
    namawakari
    namawakari 2024/01/05
    相変わらずすげえ熱量だなと思ったが、批評家たるもの、この程度の量をこなせるだけの胆力がないとダメなんだなやっぱり。
  • 2023年に読んだ本と今年の仕事 - Close To The Wall

    今年読んだの10選とかそういうの。 ミハイル・ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』郁朋社 山野浩一『花と機械とゲシタルト』小鳥遊書房 石川博品『冬にそむく』ガガガ文庫 黒川創『世界を文学でどう描けるか』図書出版みぎわ 八杉将司『LOG-WORLD ログワールド』SFユースティティア 室井光広『おどるでく 又伝奇集』中公文庫 市川沙央『ハンチバック』文學界 高原英理『祝福』河出書房新社 ボフミル・フラバル『十一月の嵐』松籟社 佐藤哲也『シンドローム』キノブックス文庫 仕事 ミハイル・ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』郁朋社 巨匠とマルガリータ 作者:ミハイル・アファナーシエヴィチ ブルガーコフ郁朋社Amazonウクライナ、キエフ出身の作家による1940年頃に書かれ死後20年以上経つまで発表されなかった大作。モスクワを混乱に陥れる黒魔術師の一味やキリストをめぐる発表を禁じられた作中作を用いて

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  • 市川沙央『ハンチバック』 - Close To The Wall

    文學界(2023年5月号)(第128回 文學界新人賞決定発表) 文藝春秋Amazon文學界新人賞と芥川賞受賞作。難病により背骨が曲がっており人工呼吸器を使って生きる主人公が、中絶という「障害者殺し」が日常化したなかにあって、それなら「殺すために妊娠する障害者がいてもよくない?」と計画する。生きることと殺すことの挑発的な問いを投げかけるばかりか、作品の大枠には「当事者性」についての問いも込められている。 作者が作中人物と同様の疾患だということで「読書バリアフリー」についての問題意識を投げかけ、障碍「当事者」の芥川賞受賞としても話題になった。 健常者社会への批判 作は子供の頃「ミオチュブラー・ミオパチー」という遺伝性筋疾患を発症し、「右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲したS字の背骨」を持つ「ハンチバック(せむし)」となり、車椅子を使用し仰臥時には人工呼吸器を装着した語り手の生活と困難が具体的に

    市川沙央『ハンチバック』 - Close To The Wall
  • 室井光広『おどるでく 猫又伝奇集』 - Close To The Wall

    おどるでく-又伝奇集 (中公文庫 む 33-1) 作者:室井 光広中央公論新社Amazon初期小説集二冊に未収録短篇やインタビューなどを増補した著者初の文庫。著者の故郷南会津を「又」と呼ぶ一連の作品は「又拾遺」の土俗的奇譚・幻想譚から始まり、方言、外国語、外国人など言語の土俗性とその外とが交錯する「翻訳」の主題が貫かれているように読める。短い奇譚を集めたかたちの中篇「又拾遺」を見返してみたら最後の「魂柱」が、在日外国人が一度母国語で書いたものを日語にしたという翻訳を介した手紙だとされていて、マラルメの翻訳の引用で終わるこの「又拾遺」の結句から「和らげ」まで、「翻訳」という問いが通底している。 どうも読んでいると著者は「言語」とは「翻訳」なのではないか、「翻訳」が言葉、言語の質をなすものだと思っているのではないかという気がしてきた。方言と外国語、ローカルと世界、固有性と普遍性

    室井光広『おどるでく 猫又伝奇集』 - Close To The Wall
  • 2022年に見ていたアニメ - Close To The Wall

    例年通り、そしてこのはしがきも去年のコピペに近いけど、今年見ていたアニメのなかで各クール10作程度をピックアップして、ツイッターにその都度書いていたことを元にしたりしなかったりしながらまとめた。ネタバレを気にせず最終話の内容を書いてるのもあるので各自ご留意されたし。いつものことだけど年始のものを年末にまとめたりしているので年始のものは記憶が曖昧だったりする。基的にクール単位で上にあるものほど高評価だけどそんなに厳密ではないしショートアニメは下の方に置いてる。そして配信が年明けになってるものもあるのでいくつか追記する予定。 2022年アニメ10選 冬クール(1-3月) CUE! スローループ 怪人開発部の黒井津さん ハコヅメ~交番女子の逆襲~ その着せ替え人形は恋をする 明日ちゃんのセーラー服 失格紋の最強賢者 ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン プリンセスコネクト!Re:Dive

    2022年に見ていたアニメ - Close To The Wall
    namawakari
    namawakari 2023/01/03
    すげえ熱量だな。
  • 2022年に読んだ本と今年の仕事 - Close To The Wall

    例年通りベスト10的なものを。今年は自著刊行の作業もあって読んだが少なかった。 サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』 M・ジョン・ハリスン『ヴィリコニウム パステル都市の物語』 シュテファン・ツヴァイク『過去への旅 チェス奇譚』 パーヴェル・ペッペルシテイン『地獄の裏切り者』 アレホ・カルペンティエール『時との戦い』 ヴォルフガング・ヒルデスハイマー『詐欺師の楽園』 ヴァーツラフ・ハヴェル『通達・謁見』 R・A・ラファティ『とうもろこし倉の幽霊』 岡和田晃編『いかに終わるか 山野浩一発掘小説集』 津原泰水『11 eleven』 ライター仕事 サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』 真夜中の子供たち(上) (岩波文庫) 作者:サルマン・ラシュディ岩波書店Amazon1947年8月15日インド独立の真夜中零時に生まれた特殊な力を持つ子供達の一人、サリーム・シナイが自らの生涯を語ることが

    2022年に読んだ本と今年の仕事 - Close To The Wall
  • 薄い本を読むパート3 - Close To The Wall

    薄いを読むパート2 - Close To The Wall 一年おきにやってる気がするこれ、三回目。今回は厳密ではなく文200ページ前後、とややゆるめに選んだ20冊。冊数も記事も分量が増えて行っている。 フリオ・ホセ・オルドバス『天使のいる廃墟』 ミルチャ・エリアーデ『令嬢クリスティナ』 フランツ・カフカ『変身』 アントニオ・タブッキ『島とクジラと女をめぐる断片』 イタロ・カルヴィーノ『ある投票立会人の一日』 スティーヴン・ミルハウザー『魔法の夜』 パーヴェル・ペッペルシテイン『地獄の裏切り者』 イマヌエル・カント『永遠の平和のために』 閻連科『年月日』 宮内悠介『黄色い夜』 ヴァージニア・ウルフ『フラッシュ』 ティモシー・スナイダー『暴政』 フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』 ウンベルト・エーコ『永遠のファシズム』 アレホ・カルペンティエール『時との戦い』 中井英夫『幻想博物館』 ジ

    薄い本を読むパート3 - Close To The Wall
  • 2021年に読んだ本 - Close To The Wall

    今年読んだのベスト10、的なものを。 ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 梁英聖『レイシズムとは何か』 パヴェウ・ヒュレ『ヴァイゼル・ダヴィデク』 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』 高原英理『観念結晶体系』 アレクサンダル・ヘモン『私の人生』 エリザベス・ハンド『過ぎにし夏、マーズ・ヒルで』 ミルチャ・エリアーデ『ムントゥリャサ通りで』 酉島伝法『るん(笑)』 ミロラド・パヴィッチ『十六の夢の物語』 ライター仕事 ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 薔薇の名前〈上〉 作者:ウンベルト エーコ東京創元社Amazon今年年始に読んだ大作はこれ。途中これ選んだのは失敗だったか、と思った瞬間もあったけど、さすがに面白かった。中世、山上の修道院をバスカヴィルのウィリアムと見習修道士のアドソが訪れ、皇帝と教皇の対立にからむキリストの清貧論争という異端問題を背景に、次々起

    2021年に読んだ本 - Close To The Wall
  • 2020年に読んだ本 - Close To The Wall

    今年読んだを10冊プラス10冊挙げてみる。 上田早夕里『深紅の碑文』早川書房 オルガ・トカルチュク『昼の家、夜の家』白水社 木村友祐『イサの氾濫』未來社 笙野頼子『会いに行って 静流藤娘紀行』講談社 藤野可織『ピエタとトランジ〈完全版〉』講談社 テッド・チャン『息吹』早川書房 林京子『祭りの場・ギヤマン ビードロ』講談社文芸文庫 パウル・ゴマ『ジュスタ』松籟社 石川博品『ボクは再生数、ボクは死』エンターブレイン イボ・アンドリッチ『イェレナ、いない女 他十三篇』幻戯書房 もう10冊 ライター仕事 最後に。 上田早夕里『深紅の碑文』早川書房 深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズJコレクション) 作者:上田 早夕里発売日: 2013/12/19メディア: 単行『華竜の宮』の姉妹篇。人類に迫る、プルームの冬と呼ばれる地球凍結の危機を目前にしたなかで、救援団体、反抗する海上民、ロケット打

    2020年に読んだ本 - Close To The Wall
  • 薄い本を読むパート2 - Close To The Wall

    いつかもやったページ数薄めのを集めて読んでみるシーズンふたたび。 薄いを読む - Close To The Wall 前回のは一昨年。今回はあとがき解説などを含めない、文200ページ以下の、というレギュレーションでやってみた。マルクスはよくわかんなかったけど、だいたいどれも面白かったですね。 薄いはいいね、よくわかんなくてもすぐ読めて気分を切り替えられるし、短いなかにもぎゅっと詰まったものがあるのはなんかお得感がある。でも、薄いばかりだからもっと数読めるつもりだったのに思ったよりずっと時間が掛かってしまったので終わりです。このレギュレーションで積み上げたがここにあるのよりも多く残ってるのでそのうちまたやるつもりはある。15冊。 カレル・チャペック『白い病』 ジャック・ロンドン『赤死病』 マックス・ヴェーバー『職業としての政治』 カール・マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール

    薄い本を読むパート2 - Close To The Wall
  • 百合ラノベ、百合SF、百合ミステリその他、百合小説約30冊を読んだ - Close To The Wall

    ここしばらく百合小説を集中的に読んでいて、ツイッターでもその都度書いていた感想を適宜手を入れてひとまとめにした。アニメや漫画に比べてそういや百合小説ってそんなに読んでないなと思っていた時、百合ラノベ、百合SFが三月くらいにばっと出たのを機に、手持ちのなから百合と呼びうるを集めたら結構な量になってしまった。積んだままなものもいくつかある。ここでは、性愛でないものまで含めた女性同士の関係を広く包含するものを百合と呼ぶ広めの解釈なので、同性愛を描いたものからバディものや友人関係のもの、一冊のなかの短篇一篇だけが百合というものも並べてある。 以下は読んだ順に並んでいる。とはいえラノベから読み出したので下に行くほどジャンル的に硬くなる傾向がある。 目次 鳩見すた『ひとつ海のパラスアテナ』 二月公『声優ラジオのウラオモテ ♯01 夕陽とやすみは隠しきれない? 』 みかみてれん『わたしが恋人になれるわ

    百合ラノベ、百合SF、百合ミステリその他、百合小説約30冊を読んだ - Close To The Wall
  • 2019年に読んでいた本 - Close To The Wall

    今年読んだのなかから九冊。これはツイッターの140字に収まる字数で選んだので冊数に意味はないけどこれくらいがちょうど良いかと思った。 外地巡礼 作者:西 成彦出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/01/19メディア: 単行西成彦『外地巡礼』 後藤明生論を含む文学論集で、後藤明生のみならず鶴田知也、島尾敏雄、目取真俊のほか台湾文学やリービ英雄といった外地、移民などの境界にまつわる文学を博捜する一冊。禁じられた郷愁―小林勝の戦後文学と朝鮮 作者:原 佑介出版社/メーカー: 新幹社発売日: 2019/04/01メディア: 単行原佑介『禁じられた郷愁 小林勝の戦後文学と朝鮮』朝鮮で生まれた小林勝の日の植民地主義との戦いのありさまを読み込む評論。今もなおアクチュアルな日における朝鮮蔑視の有様をえぐりだす文学を通じた峻厳な闘争。テロルの伝説:桐山襲烈伝 作者:陣野 俊史出版社/メ

    2019年に読んでいた本 - Close To The Wall
  • 2018年に読んでいた本 - Close To The Wall

    今年は結構読めたので、ベストの10冊を選ぶのはなかなか難しかった。それぞれのを扱った記事にリンクしてあるので詳しくはそっちで。 笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』河出書房新社 倉数茂『名もなき王国』ポプラ社 飛浩隆『零號琴』早川書房 伊藤計劃・円城塔『屍者の帝国』河出文庫 津島佑子『ジャッカ・ドフニ』集英社文庫 石川博品『あたらしくうつくしいことば』同人誌 ケイト・ウィルヘルム『クルーイストン実験』サンリオSF文庫 ケン・リュウ『紙の動物園』&『もののあはれ』ハヤカワ文庫SF J・G・バラード『J・G・バラード短編全集』1.2巻 東京創元社 イヴォ・アンドリッチ『宰相の象の物語』松籟社 笙野頼子『ウラミズモ奴隷選挙』河出書房新社 ウラミズモ奴隷選挙 作者: 笙野頼子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/10/23メディア: 単行この商品を含むブログを見る『水晶内制度』、おんた

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  • 最近読んだ最近の日本SF - Close To The Wall

    かねてよりかかり切りだった案件を一区切りした(まあまったく終わってはいないけれども)ので、ここ数年ため込んでいたものを読むか、と。三月は最近の日SF月間を設定してざざっと読んだ。感想をツイッターに随時書いていたものをまとめておく。日SFは少なくともこの三倍以上積んだままだけど、ここ数年に出たものを主に。 飛浩隆『自生の夢』 自生の夢 作者: 飛浩隆出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/11/26メディア: 単行この商品を含むブログ (11件) を見る発刊時に買ったのをSF大賞を受賞したころようやく読む。やはり非常に良い。飛浩隆、人体損壊と音楽が好きだなって感じるけど、「情報」を介するとこれは似たことで、「海の指」のように情報を奏でて存在を再構成する「描写」が全体で重要で、作中の描写を描写する文字表現の二重性が面白い。詩、音楽なんかの芸術と情報技術の関係性というか、比喩的

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  • 2015年読んでた本 - Close To The Wall

    今年はいろいろ別の用事とか、後半は仕事でここに書くことがかなりない。冬に読んでいたの記事で大まかに書いたけど、全体で20ほど挙げるとなるとこうなる。既に記事を書いたものについては過去記事参照。 細雪 (上) (新潮文庫) 作者: 谷崎潤一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1955/11/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 26回この商品を含むブログ (107件) を見る2015年冬に読んでいた - Close to the Wallこちらで紹介した新年。『四人制姉妹百合物帳』元ネタとして読んだけれど、さすが。羆嵐 (新潮文庫) 作者: 吉村昭出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1982/11/29メディア: 文庫購入: 59人 クリック: 545回この商品を含むブログ (106件) を見るこれも上リンクで紹介した。吉村の北海道もの、傑作。ぼくらが女性を愛する理由 (東欧

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  • 2014年に読んだ本 - Close To The Wall

    というわけで恒例のやつ。読んだものの中で特に印象的だったものなどなど。仕事や幻視社の企画があると読もうと思っていたものが読めない代わりに、そうでもないと読まないを読む機会になるので、いろいろ面白い。目の病気で字が読みづらくなったのと、引っ越ししたので時間が取れなかった。いろいろあって、以下。 日小説 未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の 作者: 笙野頼子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/07/31メディア: 単行この商品を含むブログ (14件) を見る笙野頼子 - 未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の - Close to the Wall キャンパス荒神 作者: 笙野頼子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/12/25メディア: 単行この商品を含むブログ (7件) を見る笙野頼子 - 小説神変理層夢経2 文学機械品 キャンパス荒神 -

    2014年に読んだ本 - Close To The Wall
  • 2013年読んだ本とか - Close To The Wall

    前回の記事で書いたように、今年は年明けから三、四ヵ月ほどずっと鶴田知也関連の調べものをして、また秋にも乱学講座そのほかやらでさらに追加調査などをしていたため、年の半分は鶴田知也についやした感がある。また幻視社の「未来の文学」特集のために既刊をあらかた読むなどしていたため、自分の趣味だけで読んだがきわめて少ないことになって、ブログ記事もかなり書いていない。まあ鶴田知也の調査結果は来年に共著なりで出版されるということなので、興味のある方はそちらをお待ち下さい。なので、ここでは鶴田知也関連の参考文献などには触れない。 ということで、今年読んだ中で印象的なものを挙げていく。 母の発達、永遠に/トイレット荒神 作者: 笙野頼子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/02/23メディア: 単行 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る笙野頼子 - 母の発達、永遠に/

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