今、アメリカで「ビートルズ級」の凄まじい人気を集めている韓国の男性歌手グループ・BTS(防弾少年団)。少女たちが熱狂するその背景には、トランプ政権の支配する保守的で「マッチョ」なアメリカへの反逆があるという——。『日本のロック名盤ベスト100』(講談社現代新書)の著者・川崎大助氏によるスリリングな考察、いよいよ後編! 「希望」を与えることに成功した まるで世直しをしているかのように、BTSが「東アジア系男性」のモテ像をアメリカの若い女性に啓蒙中の今日、忘れてはならないのが「かつての」ステレオタイプの数々だ。 前稿で僕は、その特徴を「非モテ」と書いたが、より正確に記すならば「モテるモテない以前の話」であるかのような、奇矯にして珍妙、ブロークン・イングリッシュをまき散らす恰好悪いキャラクターとして、メディアに登場することがつねだった。 女性の場合は、こうした取り扱い例よりも、エキゾチックな性的