エロカルチャー 2012年08月16日 鴎外こと森林太郎といえば、幼少期からエリートとして育てられ、若い頃から小説や評論など多くの優れた作品を遺し、また『即興詩人』『ファウスト』をはじめとする翻訳でも卓抜した業績で知られる、明治の文学界における巨人として不動の地位を確立していることは言うまでもあるまい。 ただし、その地位と栄光とは裏腹に、暗部や常軌を逸した行動なども数多く報告されている。 たとえば、処女作『舞姫』では自らの体験をもとにドイツ人少女との悲恋を描いたが、実際にはエリスのモデルとなった女性は精神を病むなどということはなく、それどころか気丈にも日本に逃げ帰った鴎外を追って来日した。 ところが若きエリート鴎外は彼女に会うことなく、実家である豪邸の奥にひっそりと引きこもったままだった。そして、森家の人間たちが彼女を取り囲み、脅したりなだめたりして「説得」した挙げ句、いくらかの現金をつか