今回紹介するのは大分県日田市にあるホテル風早。 九州にあるから、東日本大地震の影響は直接受けなかった。しかし、多くの旅館と決定的に違うのは、全国至る所の旅館が予約のキャンセルに苦しむ中、ホテル風早は売り上げを伸ばし続けていることだ。キャンセルはパーティー1件だけ。驚異の数字である。 既にこのコラムでは、ホテル風早の仕組みを紹介した。今回は社長の武内眞司氏に、地震の時に何を考え、これから何をやろうとしているのか聞いた。 すると、この驚異の数字が、偶然の産物ではなく、想定された結果であったことが分かった。試行錯誤、リピーター、素、ミルフィーユ、域内消費…。武内が何気なく口にするこれらのキーワードがこの数字を作ったのだ。そして、このキーワードからは、創業してまだ20年しか過ぎていないホテル風早が、安易に流行を追わず「100年企業」を目指す強い意思を持っていることが分かる。 内藤 地震のとき、最初