金星をまわる軌道に入ろうとして通信トラブルに見舞われていた金星探査機「あかつき」。トラブルから1日たって出た結論は「軌道投入失敗」だった。再挑戦は6年後。小惑星探査機「はやぶさ」が6月に無事帰還する快挙に沸いていただけに、行方を見守っていた関係者らに落胆が広がった。 「軌道に投入されていないことが確認され、投入を断念します」「期待にそえず申し訳ない」。記者会見は8日午前11時、神奈川県相模原市の宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所で始まった。小野田淳次郎所長や計画責任者の中村正人教授は厳しい表情を浮かべ淡々と状況を説明した。 「はやぶさの成功で宇宙科学を応援する声が高まっていたのに、大変残念。応援をやめないでほしい」。小野田所長はこう訴えた。小惑星探査機「はやぶさ」はトラブルで満身創痍(そうい)になりながらも、6月に7年ぶりに地球に帰還。11月には試料採取の成功も判明し、日本の技術力の成