題名:雪舟の山水画における空間構成力 報告者:エゲンスキー 本記事は、この記事の続きです。 先の記事にて室町時代における2つの文化、北山文化と東山文化について比較し、東山文化から日本の今の文化に繋がる禅的な要素をもつ芸術、千利休を祖とする茶の湯、日本風の水墨画を大成させた雪舟、日本画の一派である狩野派の祖の狩野正信について触れた。ここでは、雪舟にクローズアップし、雪舟の水墨画、特に、山水画の空間構成力について研究したい。 西洋画においてメルクマールとなる画家の一人がレオナルド・ダ・ビンチになるが、そのダ・ビンチ曰く、絵画一般についてこう手記している。「絵画は触れぬことができないものを触れるように、平らなものを浮き上がっているように、近いものを遠いように思わせること奇蹟さながらである」1)。これを示すがの如く、ダ・ビンチは科学的な視点で持って様々な遠近法を追求した。ミラノにあるサンタ・マリア