学校法人「 加計 ( かけ ) 学園」(岡山市)の獣医学部の早期開設を「総理の意向」とした内部文書について、政府が再調査に追い込まれた。 野党の追及や厳しい世論を受けての方針転換だが、与党内では、後手に回った対応に疑問の声も広がっている。 「徹底した調査を速やかに実施するように」 安倍首相は9日、首相官邸で松野文部科学相にこう指示した。政府は当初、「怪文書みたいな文書」(菅官房長官)と一蹴。文科省は調査で「文書の存在は確認できなかった」と発表し、再調査は「必要ない」(松野氏)と正面から向き合うことを避けてきた。 だが、新たな証言やメールの存在が次々と明らかになり、風向きが変わった。5月25日に前川喜平・前文科次官が記者会見し、「文書は確実に存在していた」と証言。6月2日には民進党が、文科省が内閣府から獣医学部の早期開設を求められた文書を省内で共有したことを示すメールの写しを入手したと発表し